MicrosoftのBingチャットに遅れること数週間、Googleは今週ついに米国と英国の一部ユーザーに対して、AIチャットボット「Bard」のパブリックプレビューを開始した。
ついにチャットボット戦争の火蓋が切って落とされたかと思われたが、既に様々な所からBardプレビューに関するファーストインプレッションで報告されているように(TechCrunch、PCWorld)、OpenAIの最新の大規模言語モデルGPT-4を搭載したChatGPTには言うに及ばず、先日リリースされたClaudeにも及ばず、Bardは明らかに両社に後れを取っているとの印象を与えているようだ。
当のGoogleや、Microsoftがどのように感じているかについて興味が湧くところだが、MicrosoftもやはりBardは遅れていると考えているようで、広告・ウェブサービス担当のMikhail Parakhin氏は、Twitter上であるユーザーから受けた「Bing AIと比較してそのパフォーマンスの低さに唖然とした他のユーザーと同意見か?」という質問に対して、以下のように答えている。
Parakhin氏は、Bing Chatと比較して、Googleは「かなり遅れている」との見解を示した。しかし、「コンピュート数が少ない中で、どれだけのことを実現できたのかが印象的だった」とも述べている。「私たちは、Googleを過小評価してはいけないと学びました」
ただし、今回公開されたGoogleのBardはあくまで実験的な物で、処理能力への負荷を抑えるために同社独自の言語モデルLaMDAの軽量バージョンを搭載していることが明らかにされている。AlphabetのJohn Hennessyによると、「AIを利用した検索は、一般的な検索クエリの10倍以上のコストをGoogleにかける可能性がある」そうだ。今のところ、Googleは85億回以上の検索に答えているが、そのまま当てはめると、1日あたり15億3000万ドル以上消費することになる。今後同社がより完全な形のBardをリリースするのかどうか、それがいつになるのかは明らかにされていない。
だが、完全な形のBardをリリースした際には印象が変わるかも知れない。Business Insiderが入手した内部資料によると、Googleが社内でテストしている上位のBard「Big Bard」では、パラメータ数が向上し、より深く、幅広く、より人間らしい回答をすることが確認出来ているようだ。
だが、先述したように、計算コストを考えた際に、これが果たして無料で提供されるのかどうかという疑問は残る。OpenAIのGPT-4のように、有料サブスクリプションプランでの提供になる可能性もあるかも知れない。Google One会員限定の機能となる可能性も考えられる。とは言え、有料でも人々を惹きつけるだけの魅力を備えることが出来るのならば、Googleにも商機はあるだろう。
Source
コメントを残す