Microsoft、開発者のAI統合を支援する「Windows AI Studio」ツールを発表

masapoco
投稿日 2023年11月16日 16:38
winml flower

Microsoftは、アプリ開発者のAIを取り入れた独自のアプリや体験の構築を支援するツールキット「Windows AI Studio」を発表した。Windows AI Studioは、Visual Studio Codeの拡張機能からアクセスでき、開発者はAIの開発と導入をより簡単に始めることができる。

Microsoftは、新しいWindows AI Studioについて以下のように説明している:

「Windows AI Studioは、Azure AI StudioやHugging Faceのような他のカタログから、最先端のAI開発ツールやモデルをまとめることで、生成AIアプリ開発を簡素化し、開発者がWindowsアプリでローカルに使用するために、最先端のスモール言語モデル(SLM)を微調整、カスタマイズ、デプロイできるようにします。これには、Phi、Llama 2、Mistralのような一般的なSLMを微調整するためのモデル構成UIとガイド付きウォークスルーを含む、e2eガイド付きワークスペースのセットアップが含まれます。開発者は、ワークスペースに統合されたPrompt FlowとGradioテンプレートを使用して、微調整したモデルを迅速にテストすることができます」。

Windows AI Studioは、開発者が何から始めるべきかを選択する手助けをしてくれる。Azure AI StudioやHugging Faceのようなところからツールやモデルを選べるので、開発者は人気のあるSmall Language Model(SLM)から選び、ニーズに合わせて微調整やカスタマイズができる。実際、このアプリには、Phi、Llama 2、MistralなどのSLMをカスタマイズしやすくするためのガイド付きセットアップ・プロセスが含まれている。

そして、Windows AI Studioは、ツールキットに組み込まれているPrompt FlowとGradioテンプレートを使った素早いテストも提供するので、意図したとおりに動作しているかどうかを素早く判断し、準備が整うまで継続的に微調整することができる。それが完了したら、ONNXモデル変換とOliveによる最適化を通じてモデルを最適化し、最後にモデルをアプリに統合することが出来るのだ。

Microsoftは加えて、Windows AI Studioが、Llama2-7B、Mistral-7B、Stable Diffusion XLなど、特にWindows GPUおよびNPU向けに最適化されたモデルを強調して表示するようになるとしている。これらの最適化されたモデルは、Windowsの機械学習APIであるDirectMLとONNX Runtimeを最大限に活用し、Windows上で可能な限り効率的に実行される。現在、Microsoftは、Llama 2 7Bが様々なWindowsハードウェア上でローカルに実行され、パフォーマンスを発揮するサンプルを公開している。

NVIDIAも同様に、TensorRT-LLMのアップデートを明らかにした。TensorRT-LLMは当初、H100 GPU上で大規模言語モデル(LLM)をより効率的に実行する方法としてWindows向けに発表された。しかし、この最新のアップデートにより、TensorRT-LLMは、8GB以上のRAMを搭載したGeForce RTX 30および40シリーズGPUを搭載したPCに提供される。

さらに、NVIDIAは近々、新しいラッパーを通じて、TensorRT-LLMをOpenAIのChat APIと互換性を持たせる予定だ。これにより、開発者はPC上でローカルにLLMを実行できるようになり、個人データをクラウドに保存することを懸念する開発者にとって理想的なものとなる。NVIDIAによると、次のTensorRT-LLM 6.0リリースでは、推論が最大5倍高速化され、新しいMistral 7BとNemotron-3 8Bモデルもサポートされる。

Windows AI Studioは、Microsoftの新しいCopilot Studioに加わるものだ。Copilot Studioは、企業顧客がMicrosoft Copilotに基づいて独自のAIチャットボットを作成できるサービスである。Copilot Studioはまた、Azure AIとその関連サービスとの統合が深まり、高度な機能を持つようになる。Microsoftによると、管理者はCopilotがどのように使用されているか、ユーザーの感情などを監視する完全な分析スイートを利用できるようになるという。


Sources



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • Samsung Semiconductor Chip Plant Pyeongtaek Campus South Korea
    次の記事

    Samsung、ASMLから大量の製造装置を購入しチップ生産能力の拡大を計画

    2023年11月16日 17:27
  • 前の記事

    中国、毎秒1.2テラビットの世界最速インターネットサービスの運用を開始

    2023年11月16日 15:04
    optical fiber

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

おすすめ記事

  • openai

    OpenAI、15秒の音声サンプルから感情豊かで自然な音声を合成できる「Voice Engine」を発表

  • a04c35e8e555c1cc7ae1d6a5f3159856

    MicrosoftとOpenAI、1000億ドル以上をかけて超人的AI開発のためのスーパーコンピューター「Stargate」を開発する計画

  • Sam Altman TechCrunch SF 2019 Day 2 Oct 3 cropped cropped

    ベンチャーキャピタリスト、OpenAIのSam Altman氏を“誇大妄想的”と非難

  • google logo image

    Googleが非営利団体を対象に2000万ドルの資金を提供し生成AI活用を支援

  • Pixel 8 in Rose.max 936x936.format webp

    Google、方針を転換しPixel 8にもGemini NanoによるオンデバイスAI機能を搭載へ

今読まれている記事