Micronは、スマートフォン向けに、わずか9mm×13mmと爪の先ほどのサイズに収まる世界最小の極小フラッシュ・ストレージ・デバイスを発表した。同社の232層3D NANDテクノロジーを使用した最大1TBの容量を誇るこの「UFS 4.0ストレージチップ」は、シーケンシャルリードで最大4,300 MB/s、シーケンシャルライトで最大4,000 MB/sと、性能での妥協もない事が印象的である。
小型のUFS 4.0パッケージは、米国、中国、韓国にまたがるMicronの共同顧客ラボで開発された。チップサイズを縮小した理由は、コンパクトなフォームファクターの実現により、大容量バッテリーの搭載が可能になると、これらの企業からフィードバックがあったからだという。
Micronのモバイル・ビジネス・ユニットGM兼コーポレートVPのMark Montierth氏は声明の中で次のように述べている:「Micronの最新のUFS 4.0ソリューションは、世界最小のUFSパッケージで世界クラスのストレージ性能と低消費電力を実現します。Micron UFS 4.0は、スマートフォンを新品のように動作させ続けるための画期的なファームウェアの進化により、性能、柔軟性、拡張性が強化され、モバイルストレージの水準を引き上げ、AI対応のジェネレーティブスマートフォンの展開を加速します」。
Micronは昨年6月に11mm×13mmのパッケージを発表していたが、今回の製品ではサイズを20%縮小した。幸い、前述の通りシーケンシャルリードとライトの速度はそれぞれ4,300MB/sと4,000MB/sで、NVMe Gen 4規格より若干遅いが、小型化による性能の低下がないことは歓迎されるだろう。
MicronのUFS 4.0ストレージ・チップは、小型化に加えて消費電力も低減しており、同社はフットプリントの変更により最大25%の効率向上が見込めると述べている。このストレージには他にも様々なモードが搭載されており、Micronはそれを以下にまとめている:
ハイパフォーマンスモード(HPM):この独自機能は、スマートフォンの集中的な使用時に、バックグラウンド・タスクよりも重要なタスクを優先させることで、パフォーマンスを最適化する。これにより、複数のアプリケーションを起動する際の速度が25%以上向上し、大量使用時のストレージアクセスが2倍高速になる。
ワンボタン・リフレッシュ(OBR):OBRは、スマートフォンが新品同様の状態で動作し続けられるようにデータを自動的にクリーニングおよび最適化することで、デバイスから最高のパフォーマンスをより長く引き出すことを可能にする。ユーザーは、より高速な読み取り/書き込みパフォーマンスの恩恵を受け、アプリの起動が10%高速化5され、カメラロールへのアクセスが迅速になり、シームレスなマルチタスキングが可能になるという。
ゾーンUFS(ZUFS):Micron UFS 4.0では、データを保存するゾーンをホスト側で指定できるようになり、デバイスの長期的な有用性が向上している。このZUFSアプローチは、書き込み増幅を低減し、デバイスの性能を低下させることなく、デバイスがプログラムおよび消去できるデータの有限サイクルを最大化する。
Micronによると、最新のUFS 4.0ストレージチップは256GB、512GB、1TBの容量で提供される。これらのサンプルはすでに同社のパートナーに出荷されており、今後発売されるハイエンドスマートフォンにこの技術が搭載されることになるだろう。
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