市場調査会社IDCは最近の報告の中で、Metaがその戦略を変えないままでは、長期的にAR/VRビジネスにおいて、競争力を失い失速する可能性があると予測している。
IDCによるこのメディアリリースは、VR関連のハードウェア市場全体に関するレポートだ。レポートの中でIDCリサーチマネージャーのJitesh Ubrani氏は、「Metaはメタバースの開発にドルを注ぎ続けているが、(同社の)収益性を犠牲にして低価格のハードウェアを推進する戦略は、長期的には持続不可能である」と述べている。
同様の懸念は、先月末にテック業界のアナリストであるMing-Chi Kuo氏からも出されている。Kuo氏は、MetaがVR関連への投資を縮小する動きを見せ、Appleや他の競合他社に付け入る隙を与えるだろうと予測した。彼はまた、VRヘッドセットを赤字で販売するMetaのやり方は持続不可能だとも書いている。
IDCの発表によると、現在、MetaはVRヘッドセット市場の90%を支配している。2位はByteDance社のPicoで、わずか4.5%である。全体として、2022年第1四半期のVRヘッドセットの出荷台数は前年同期比241.6%増と急増した。
数週間前のKuo氏と同様に、IDCリサーチディレクターのRamon Llamas氏は、「来年に最初のヘッドセットを発売するAppleに注目が集まるだろう 」と、2023年初頭のApple製AR/VRヘッドセットの発売を示唆している。AppleのヘッドセットはMetaの提供するものよりもずっと高価になると予想され、製品カテゴリーの平均単価を軒並み押し上げ、Llamas氏はAppleの提供が 「主にアーリーアダプターとAppleファンの小さなオーディエンスにアピールするだろう」 と考えている。
Appleの最初のヘッドセットは、かなり高額になることから限られた数が販売されることになりそうだ。そしてこれは、AppleがAR/VR市場を支配するための長期計画の最初のステップに過ぎない。ここ数年のいくつかの報道で指摘されているように、この計画には最終的に、低価格のARグラスや、その他のXR関連ハードウェアのユーザー層を広げることを目指す他の製品が含まれることになる。
大衆向けの複合現実ハードウェア製品に取り組んでいるのは、AppleとMetaだけではない。GoogleやAmazonも密かに取り組んでいると言われている。
コメントを残す