Metaは最近、AIや機械学習のためのアクセラレータを開発する英国のスタートアップGraphcoreで人工知能ネットワーク技術を構築していた専門家チームのメンバーを、今年2月から3月にかけて少なくとも10名採用したようだ。
2016年にSimon KnowlesとNigel Toonによって設立されたGraphcoreは、MicrosoftやSequoia Capitalから投資を受けており、かつては人工知能の分野でNVIDIAの競合と目されていた。
しかし、その後、MicrosoftはGraphcoreのGraphcore C2 IPUを同社のAzureクラウドサービスプラットフォームから撤退させ、代わりにNVIDIA製品をクラウドサービスのアプリケーションやAIのアクセラレーションツールとして使用し、Graphcoreの投資に大きな影響を与えることになったと、The Timesは報じている。
Graphcoreは、米国を拠点とする企業への進出に苦戦していたため、昨年10月に発表した広範なリストラの一環としてオスロオフィスを閉鎖している。
Metaが獲得した専門家チームは、現在、米国テキサス州オスロにあるMetaのインフラチームの一員として働いており、Metaがデータセンター向けのAIや機械学習技術を設計する際に役立つと期待されている。
この件に関し、「我々は最近、オスロの高度に専門化されたエンジニアをMetaのインフラチームに迎えました。彼らは、MetaのデータセンターでAIと機械学習を大規模にサポートするためのスーパーコンピューティングシステムの設計と開発における深い専門知識をもたらしてくれます」とMetaのスポークスパーソンであるJon CarvillはReutersに述べている。
Metaは、すでにFacebookやInstagramなどのサービスにおいて、悪質なコンテンツのフィルタリングや違法コンテンツの削除・禁止、コンテンツの推薦や広告コンテンツの配置など、AIや機械学習技術を幅広く活用している。
昨今、自動生成AI技術が普及していることから、Metaは同技術でコンテンツ市場を拡大し、広告コンテンツの露出と引き換えに、サービスへのトラフィックを増やすことを計画している。
しかし、Metaは、どの研究開発プロジェクトのために新たな技術スタッフを採用したのか、まだ明らかにしていないが、情報筋によると、Metaは、AIコンピューティングのパフォーマンスを加速させるために、サーバーデータトラフィックを最適化するチップやAIモデルのトレーニングおよび推論用のチップなど、すでに内部でいくつかのチップを設計しており、2025年までに提供する予定だとの事だ。
Source
コメントを残す