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急速に発展している人工知能(AI)の分野では、その性能や、進歩については触れられることが多い。そして、AIが人々から仕事を奪う可能性が大きく報道されているが、実は、そのAIシステムの構築に際し、データを評価し、テキストやビジュアルを作成するための教育を行うために多くの人々が関わっている事はあまり知られていない。彼らは、その業務の重要性にもかかわらず、本社の社員と比べて低い賃金で、福利厚生もない環境で働いているようだ。そして、彼らの仕事には明確なゴールがない。

「ニューラルネットワークを設計し、研究者を集めても、ラベラーがいなければ、ChatGPTはできません。何もないんです」と、ChatGPTを生み出したOpenAIなどのスタートアップで仕事をしてきたAlexej Savreux氏はNBCに語っている。

彼は、AIの精度を高めるために、写真を分類し、次にどんなテキストアプリケーションが生成されるかを予測したAIトレーナー軍団の一員である。

ChatGPTをはじめとする大規模言語モデルに対する彼らの意見やデータが、これらの製品の誕生を可能にしたのだが、彼らの努力が日の目を見ることはほとんどない。

「AIをめぐる多くの言説は非常におめでたいものです」と、サンフランシスコに拠点を置く非営利団体「Partnership on AI」でAI、労働、経済のプログラムリーダーを務めるSonam Jindal氏は言う。

人工知能の研究と教育を推進するNGOで働くJindal氏は、「私たちは、まだ多くの人間の労働力に大きく依存しているということを見逃しています」と付け加えた。

Partnership on AIは最近の報告書で、AIデータエンリッチメント業務の需要増加が予想されると話している。

報告書は、企業が遵守すべき自主的な基準を示し、業界に対して公正な報酬やその他の改善策を約束するよう助言した。このルールに公にコミットした技術企業は、GoogleのAI子会社であるDeepMindだけである。

AI契約者は多大な貢献をしているにもかかわらず、低賃金をはじめ、肉体的・精神的負担など厳しい労働条件にさらされているという。ケニアのナイロビにあるFacebook、TikTok、ChatGPTの150人以上のAI契約者は、これらの問題を解決するために組合を組織することを月曜日に投票した。

Semaforの1月の報道によると、OpenAIは、東欧やラテンアメリカなどの地域で、データの分類や企業ソフトウェアの教育など、コンピュータエンジニアリングの仕事でおよそ1,000人のリモートワーカーを雇用しているという。

OpenAIは、1月時点で375人の従業員しかいない、まだ小さな企業だとCEOのSam Altman氏はTwitterで主張している。しかし、その数字に契約社員を含まれていない。実際には、多くのデータを提供している、表の数字には表れない裏方の人々の存在があるのだ。

とはいえ、OpenAIは発表した研究の中で、自社の技術構築における外注労働の重要性を繰り返し指摘している。OpenAIの研究チームは昨年の論文で、「最後に、モデルのトレーニングに不可欠なデータを提供してくれた契約社員の皆さんに感謝します」と書いている。

Partnership on AIは、質の高い雇用になる可能性があるにせよ、AI開発を許可するための貢献と引き換えに、これらの人々を公正かつ敬意を持って扱うよう業界に求めている。


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