Sonyは、市販の有機ELパネルの中で最も高い800PPIを越える画素密度のディスプレイを搭載したPlayStation VR2の発売を計画しているが、自社デバイスだけではなく、Appleが発売するAR/VRヘッドセットにもスクリーンを供給する予定とされている。Appleとしては、サプライチェーンに多様性をもたらしたいようで、今回LGがスクリーンの供給に加わることが報じられた。
LGがAppleの次世代AR/VRヘッドセットの内部スクリーンのディスプレイサプライヤーとしてSonyと並んで参加する事が報じられた。まだ発表もされていない第1世代のAppleAR/VRヘッドセットは、今年末か、2023年に登場すると見られている。
LGは、Appleに次期iPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Max用のLTPO OLEDスクリーンを供給するほか、マイクロOLEDパネル用の成膜装置を発注するといわれている。The Elecによると、装置はSunic Systemから調達する予定で、LGの意図する目標は、Appleの第2世代ARヘッドセット用の高度なパネルの開発と量産にあるようだ。
Appleの最初のARヘッドセットのために、同社はSonyからディスプレイを調達したと噂されており、Sonyも自社版の拡張現実デバイスのためにMicroOLED技術を開発している。LG版のマイクロOLEDパネルがどのような改良によってSonyのものと異なるものになるかは言及されていないが、Apple初の複合現実型ヘッドセットはまだ発売されていないため、現時点ではほとんど推測の域を出ていない。
レポート中のMicroOLEDという言葉は、リジッドガラスではなく、フレキシブルシリコン基板で作られた有機ELスクリーンを指しているようだ。スマートフォンのフレキシブル有機EL画面は、折りたたみ式スマートフォン向けでないパネルも、ガラス基板ではなく、プラスチック基板で作られるようになっている。プラスチック基板の有機ELは軽量で耐久性に優れており、日本がAppleに提供するのもこれと思われる。
具体的には、LGが開発を目指す技術は「OLED on Silicon」またはOLEDoSと呼ばれ、各ベンダーのARヘッドセットの出荷台数が回復し始めると、OLEDoSはより勢いを増し、より安価になると予想される。現在、Sonyは複合現実型ハードウェアに必要なディスプレイ部品で市場をリードしているため、Sonyは自社のPlayStationコンソールでしか使えないパネルを開発することで競争を制限したい可能性があるため、LGはAppleの主要サプライヤーになる道を模索しているようだ。
AppleのARヘッドセットは2023年の第1四半期まで発売されないと見られており、そして最初の出荷は限定的な物になると言われている。マイクロOLEDが高価であることを考えると、少なくとも、技術が成熟するまでの何世代かの製品は高価になる可能性が高そうだ。
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