テルアビブ(イスラエル)に拠点をAIチップメーカーHailoは、本日、最新のプロセッサ・ファミリーであるHailo-15H、MおよびL SoCの発売を発表した。前身であるHailo-8と同様に、同社はこれらの新しいプロセッサを、AIモデルをエッジに、特にインテリジェント・カメラに搭載するために設計している。
HailoのCEOであるOrr Danon氏は、「Hailo-15は、エッジAIをよりスケーラブルかつ求め易い価格にする上での重要な一歩にほかなりません。この発売は、世界各地の何百社にも及ぶ顧客がすでに採用している当社のエッジソリューションに加えて、更に当社のリーダーシップを確かなものにし、当社AI技術の進化、そして当社の包括的なソフトウェアスイートは、カメラフォームファクターの画期的高性能AIを可能にします」と、述べている。
同社によると、新しいHailoファミリーの処理速度は7テラ演算/秒(TOPS)から20TOPSで、同価格帯のソリューションに比べて5倍の速さを実現する。最上位機種のHailo-15Hでは、YOLOv5のような物体検出モデルを解像度1280×1280でリアルタイムに実行したり、ベンチマークであるResNet-50の分類モデルを700フレーム/秒で実行することが可能とのことだ。リアルタイム処理が不要な場合、あるいは1秒間に解析できるフレーム数が少なくても構わない場合は、4k60のビデオ入力まで対応可能としている。
同社はまた、今回のリリースで、リアルタイムの物体検出のためのビジョンベースのトランスフォーマーをカメラにもたらすと述べている。しかし、同社のチップは、低照度下での映像の改善、映像の手ぶれ補正、HDRイメージングなど、映像の強化にも使用できる。
「Hailo-15を利用したカメラは、クラウド解析負荷を軽減により、ビデオ帯域幅と処理を節約することで大規模なカメラ配備の際のtotal cost of ownershipを削減すると同時に、エッジでのデータ匿名化により高いプライバシーを確保します。その結果、超高品質のAIを利用した動画解析ソリューションは、人々に安全を提供し、プライバシーを確保するとともに、ネットワークインフラのコストの削減と複雑さの軽減を実現し、組織がより効率的に業務を進めることを可能にします」と、同社は説明している。
Hailoは、この新しいプロセッサーで、オリジナルチップのために開発した革新的なアーキテクチャを発展させた。これにより、チップ上で動作するニューラルネットワークを見て、それに応じて物理リソースをマッピングし、計算機、メモリー、制御ユニットを互いに近づけて最適なパフォーマンスを実現し、その時々に必要でないプロセッサの部分をオフにすることができるようになっている。
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