Googleが出資し、元OpenAIの社員が設立したスタートアップ、Anthropicは本日、多くの専門家がOpenAIのChatGPTの主要なライバルと見なす、待望のAIチャットアシスタント、「Claude」を発表した。
ChatGPTと同様に、Claudeはチャットインターフェースからアクセスすることができ、会話やテキスト処理の様々なタスクに対応することが出来る。このチャットボットは、要約、検索、共同執筆、Q&A、コーディングなど、ユーザーを支援するために作られている。
Anthropicは、自社のチャットボット「Claude」の開発において、より現実的なアプローチをとっていおり、その結果、ChatGPTよりも「より舵取りがしやすく」「有害な出力を出す可能性がはるかに低い」AIが誕生したとTechCrunchは報じている。
Anthropicは、その機能を高めるために、Notion、Quora、DuckDuckGoなどのパートナーとクローズドアルファで過去数カ月間作業したという。Quoraのpeople and commsのヘッドであるAutumn Besselman氏は声明の中で、「ユーザーはクロードの回答が詳細でわかりやすいと評し、やり取りが自然な会話のように感じられることを気に入っています」と述べている。
RobinのCEOであるRichard RobinsonはTechCrunchの取材に対し、「我々はClaudeを使って契約書の特定の部分を評価し、顧客にとってより親しみやすい新しい代替言語を提案している」と語っている。「Claudeは、法律用語のような技術的な領域も含めて、言語を理解することに長けていることがわかりました。また、起草、要約、翻訳、複雑な概念を簡単な言葉で説明することに非常に自信を持っています」
本日の発表では、Anthropicが企業や非営利団体をサポートするために、API経由でClaudeを提供することが明かされた。(早期アクセスへのサインアップはこちらから) APIアクセスの価格はまだ明らかにされていない。
現在、「Claude」と「Claude Instant」の2種類をリリースしている。Claudeは高性能モデルで、Claude Instantは軽量・低価格で、より高速なモデルだ。
Anthropicは、自社のシステムを「信頼性が高く、解釈可能で、操縦可能なAIシステムの構築に取り組んでいる」と主張しており、「Constitutional AI」と呼ばれるプロセスでClaudeを作成し、「恩恵、非利益、自律」といった概念に基づくとしている。
Constitutional AIを詳述したAnthropicの論文によると、このプロセスには、教師あり学習と強化学習の段階がある。「結果として、有害なクエリに対して反対意見を説明することで関与する、無害だが非侵害的なAIアシスタントを訓練することができる」と、述べられている。
Anthropic社は、AI技術に投入された数億ドルを回収するために、投資家からある種のプレッシャーを感じているのは間違いない。同社は、失脚したFTXの創業者Sam Bankman-Fried、Caroline Ellison、Jim McClave、Nishad Singh、Jaan Tallinn、およびCenter for Emerging Risk Researchなどの投資家グループから5億8000万ドルのトランシェを受けるなど、外部からの大きな支援を受けている。
直近では、GoogleはAnthropicに3億ドルを出資し、スタートアップの株式10%を取得した。Financial Timesが最初に報じたこの取引の条件では、AnthropicはGoogle Cloudを“優先クラウドプロバイダー”とし、両社が“AIコンピューティングシステムを共同開発”することに合意している。
Source
- Anthropic: Introducing Claude
- via TechCrunch: Anthropic launches Claude, a chatbot to rival OpenAI’s ChatGPT
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