量子テクノロジー企業のIonQが、米国初の量子コンピューター製造施設をシアトル郊外に開設したことを発表した。
IonQは昨年初めに、この工場の計画を発表しており、今週、ワシントン州シアトル近郊のボテルに建設された工場は、IonQの米国における主要な生産技術拠点として機能し、研究開発チームと製造チームを収容するほか、IonQの顧客に量子コンピューター・リソースへのクラウドアクセスを提供する2つ目のデータセンターを併設するとのことだ。
IonQによると、この拠点は、顧客のデータセンターに「複製可能で展開可能」な量子コンピュータを製造する米国初の工場だという。しかし、年間何台のシステムを製造・販売する予定かについては明らかにしていない。
「シアトルの施設は、量子を商業化し、量子コンピューターを顧客の手に届けるというIonQのコミットメントを具体的に実現するものです。IonQは、単に製造施設を建設するだけでなく、シアトルに人材やオピニオンリーダーを集め、革新的な量子コンピュータの能力で地域の組織を強化するため、周辺地域にも投資しています」と、CEOのPeter Chapman氏は声明で述べている。
IonQは、この量子工場がパシフィック・ノースウエスト地域をテクノロジー・ハブとして強化し、今後数年間で数千の新規雇用と機会を創出する計画だと述べた。同社は昨年、今後10年間でこの地域での事業拡大に10億ドルを投資する計画だと発表している。
だが、先月IQMによって発表された報告書によると、量子関連企業に投資するベンチャーキャピタルは2023年中に半減し、投資家は代わりに生成AIに資金を投入している事も明らかになっている。米国では量子関連ベンチャーキャピタルが80%減少し、APAC地域は17%減少、EMEA地域は3%の微増であり、量子関連の現状は少し暗雲が垂れ込めている。
問題のひとつは、量子コンピューティングに進展が見られるとはいえ、おそらく10年以上はその潜在能力をフルに発揮できないと予想されているからだ。
しかしIonQは、レーザービームで操作するトラップされたイオンをベースとした量子技術の開発を続けており、次世代システムIonQ Forte EnterpriseとIonQ Tempoの準備を進めていると述べている。
同社の量子システムは、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudの3大クラウド・プロバイダーすべてを通じて利用することもできる。
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