生成AI競争に、思わぬ伏兵が現れた。米・半導体大手Intelが、科学研究向けの全く新しい生成AIモデルである「Aurora genAI」を発表したのだ。
最大1兆パラメータの科学向けAI「Aurora genAI」
Intelが同日発表した、2エクサフロップスのスーパーコンピュータAuroraは、この「Aurora genAI」AIモデルを動かすために使用される。ISC23の基調講演で発表されたAurora genAIモデルは、一般テキスト、科学テキスト、科学データ、ドメインに関連するコードでトレーニングされる予定だ。これは、純粋に科学に特化した生成AIモデルであり、以下のような応用が考えられる:
- システムバイオロジー
- がん研究
- 気候科学
- コスモロジー
- 高分子化学・材料
- 科学
Intel Aurora genAIモデルの基盤は、MegatronとDeepSpeedだ。最も重要なのは、新モデルの目標サイズが1兆個のパラメータであることだ。比較として掲載すると、ChatGPTの無料版で駆動しているGPT3.5のパラメータは、1,750億といわれており、Aurora genAIは5.7倍ものパラメータ数になるわけだ。
この生成AIは、アルゴンヌ国立研究所、Intel及びHPEと共同で開発された。
アルゴンヌ国立研究所副所長のRick Stevens氏は、「このプロジェクトは、スーパーコンピュータAuroraの潜在能力を最大限に活用し、エネルギー省の研究所や他の機関との共同研究で下流科学のために使用できるリソースを生み出すことを目的としています」と述べている。
Intel Aurora genAIは、生物学、化学、材料科学、物理学、医学などの一般テキスト、コード、科学テキスト、構造化された科学データなどを対象に学習させる予定だ。
得られたモデル(1兆個ものパラメータを持つ)は、分子や材料の設計から科学的な応用まで、さまざまな用途で使用される予定だ。分子や材料の設計から、システム生物学、高分子化学、エネルギー材料、気候科学、宇宙論などにおける新しい興味深い実験を提案するための何百万もの情報源の知識の統合まで、さまざまな科学的用途で使用される。また、このモデルは、がんやその他の病気に関連する生物学的プロセスの特定を加速し、ドラッグデザインのためのターゲットを提案するためにも使用される予定だ。
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