ここ数ヶ月のGoogleとMicrosoftのAIを巡った対決は熾烈なものになってきているが、検索分野だけではなく、Office関連でも対決が見られそうだ。
Microsoftが「Future of Work」イベントにおいて、AIによる仕事の改革を発表する事を数日後に控える中で、GoogleはWorkspaceの大幅なアップデートを発表し、同社のOfficeスイートのほぼ全てにジェネレーティブAIを導入する事、マルチターン・チャット用の5,400億パラメータの大規模言語モデルPaLMを含むGoogleの基盤モデルをAPIと新しいローコードツールで開発者に提供する、新しい開発者ソリューションの提供を発表した。
ただし、当面の間、これらの新機能は、Googleが「Trusted Testers」と呼ぶ人たちだけが利用できるようになる予定だ。より多くのユーザーに展開される時期も不明である。また、価格に関する情報もまだないが、少なくともこれらの機能の一部は、Google Oneプランのユーザーを含む一般消費者が利用できるようになるものと思われる。
Googleの計画では、Gmailでメールを書いたり、Docsで文書を書く(または書き直す)のを手伝ったり、Sheetsで数式を生成したり、Meetでメモを取ったり、Slidesでテキスト、画像、オーディオ、ビデオを作成したりと、Workspaceのほぼすべての部分にジェネレーティブAIモデルを導入するようだ。
同社は 「2、3週間ごとに 新機能を急速に展開する予定だ」と述べている。年を通して、信頼できるテスターは今、第一段階へのアクセスを得ることができ、そこにはGmailでメールを書くことや、Docsで文書を書くことを助けてもらうことが含まれる予定だ。
Googleは、最終的にWorkspaceの事実上すべてのワークフローにAIを取り入れる。もちろん、この多くはチャットベースなので、Google Chatもこれらの機能の一部をサポートすることになるが、今のところ、Googleは「Chatで物事を成し遂げるためのワークフローを可能にする」としか述べていない。
Googleが以下の動画で見せた最も印象的なデモは、このテキストベースの作業の多くに、画像や音楽を生成するジェネレーティブAIモデルを組み合わせ、それを使って本格的なプレゼンテーションを作成するものだろう。「Slidesでは、スライド内のテキストから洞察や画像を生成することができます。つまり、リッチコンテンツライブラリやブランドイメージ-自社の画像があれば-、プライベートリポジトリの画像を利用して、これらの画像を生成し、サウンドトラックの生成を含め、スライドで構築するすべての人をスーパーパワー化できるのです」とのことだ。
OpenAIに抜かれたことで明らかにパニックになっているにもかかわらず、Googleは「これを正しく、しかも大規模に行うことは、我々が非常に真剣に取り組んでいることだ」と、慎重な姿勢を崩していない。「私たちは、AIと生産性についての深い経験から、AIを使った機能の構築には、細心の注意と思慮深い実験、そしてユーザーからのフィードバックによる多くの繰り返しが必要だと知っています」
同社は「信頼できるテスター」が今月中にいくつかのAI機能を手に入れることを約束しているが、それは一般公開ではなく、テストである。実際にこれらの機能はコストがかかることが予想され、利用が制限されるか、Googleがこれらの機能をGoogle Workspaceの有料顧客専用にするとしても驚くには値しないだろう。
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