Googleが、フィンランドのKoruLabを買収したことが分かった。
KoruLabは、ウェアラブルデバイス、IoTデバイス、車載向けシステムのソフトウェア、UI開発に注力している企業だが、特に同社が開発したUIは、少ないリソースと低消費電力での動作に重きが置かれた開発がなされており、GoogleのWear OSデバイスにおける消費電力の低減に繋がる可能性がある。
2013年に設立されたKoruLabは、フィンランドに30名の従業員のいる企業だが、現在はGoogleに吸収され、同社のサイトも「WE ARE MAKING CHANGES.STAY TUNED.」と、同社が現在変化を迎えていることを示唆する告知のみが掲載されてる。
KoruLabのUIの特徴は以下のように紹介されている。
- このシステムは信じられないほど効率的で、わずか128KBのRAMを使い、1秒ごとに時計を更新しながら98%の時間スリープすることが可能。
- 電源投入-画面更新-スリープのサイクルを20msで行うことができる。電源オフからの起動も500msで可能となる。Koruでは1週間のバッテリー寿命が達成可能だ。
- KoruはHTML、XML、CSS、JavaScriptなどのオープンスタンダードの上に構築されている。
- 幅広いOSカーネルをサポート。RTOS、ANDROID、NetBSD、Linux。幅広いグラフィックスエンジンのサポート OpenGL ES, Open VG, Framebuffer.ST Microelectronics Chrom-ART 2Dハードウェアアクセラレータとの完全ネイティブ統合。
以下の動画はKoruによるデモの一部だ。STM Cortex M4 (STM32F4469)で60fpsのレンダリングを行っている。
Koru Crazy Watch from KoruLab on Vimeo.
ウェアラブルデバイスは、様々なサイズの展開されているスマートフォンに比べて、腕時計デバイスに代表されるように、サイズが大きく制限されている。バッテリー容量もそれに伴いある程度制約がある中では、バッテリー自体に大きな革新が起こらない限りは、ユーザーの満足度向上に繋がる駆動時間の増加を図るためには、消費電力の低減に注力するのは正しいアプローチだろう。
今回のKoruLabを買収によって、Googleはこの施策を更に推し進める考えのようだ。
「ウェアラブルデバイスは、インターネットに接続された世界において、私たちの生活に欠かせない存在となっています。使いやすく、パーソナルな方法で、私たちの健康増進をサポートします。フィンランドは、その活気あるテクノロジー・エコシステムにより、ウェアラブルデバイスの分野で長い間リーダー的存在となっています。本日の発表は、フィンランドに対するGoogleのコミットメントを強化するものであり、Koru独自の低消費電力ユーザーインターフェースの専門知識により、我々のWear OSプラットフォームを前進させます」と、Googleフィンランドのカントリーマネージャー、Antti Järvinen氏は述べている。
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