市場調査会社のTrendForceによると、ゲーミングモニター市場で、出荷台数が初めて前年比で減速が見られることが明らかになった。2022年の出荷台数は前年比10%減の2050万台まで落ち込むと予想されている。
この報告書では、インフレと金利の上昇が家電市場全体に影響を与えていること、さらに新たなハイエンドグラフィックカードの登場が遅れて下り、ゲーミングモニターのアップグレードが延期されていることなど、いくつかの要因が挙げられている。
TrendForceは、2019年に調査を開始して以来、ゲーミングモニターの市場が拡大していることを見てきた。2021年までは力強く市場が成長していることが見て取れるが、2022年に初めて下降が見られる。だが、アナリストによると、この年に予測される10%以上の落ち込みは、このセグメントに致命傷を与えることにはならないだろうとのことだ。つまり、2023年には、ゲーミングモニターはいくつかの理由で再び成長すると予想される。
TrendForceは、湾曲型ゲーミングモニターの人気が2023年まで続きそうだと述べている。2021年には湾曲ゲーミングモニターが41%を占め、その割合は今年44%、2023年には46%に上昇するとのことだ。レポートでは、ウルトラワイド製品の台頭が、湾曲型モニターの売上増の一因になっているとしている。しかし、ゲーミングモニターメーカーが魅力的な価格性能比やその他の主要機能を備えた曲面スクリーンを多くリリースしているため、フラットスクリーンの売上はそれほどでもないようだ。
ゲーミングモニターのパネルタイプを見ると、現在VA(Vertical Alignment)パネルが48%で最も多く、次いでIPS(In-Plane Switching)パネルが43%、TN(Twisted Nematic)パネルが9%で続いている。しかし、2022年にはTNパネルの出荷量はわずか4%に減少すると予想されている。一方、有機EL(OLED)パネルのゲーミングモニターは今年から普及が始まり、2022年の0.4%から、2023年には2%に達する可能性があるとTrendForceは見ている。
2023年、ゲーミングモニター市場の特徴の一つは、多様化が進んでいることであり、このことが売上を押し上げる一因になっていると考えられる。具体的には、ゲーミングモニターは従来のモニター市場に食い込む可能性がある。100Hz以上のゲーミング対応ディスプレイは、エントリーレベルのディスプレイで間に合わせようとしていた人々を引き付け、75HzのeSportsスクリーンの老朽化を置き換えるからだ。一方、プレミアムユーザーは、新しいOLED、QD-OLED、Mini LED技術のディスプレイが様々なサイズ/解像度で容易に入手できるようになることで、アップグレードに魅了されるかもしれない。
コメントを残す