米国に、またもや新たな電気自動車用バッテリー工場が誕生する。
米・自動車大手Fordはミシガン州マーシャルに35億ドルを投じて新工場を建設すると発表した。この工場では、リン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーを製造するという。リン酸鉄リチウムは、ニッケル・コバルト・マンガン(NCM)などのリチウムイオン電池よりも安価で長寿命だが、エネルギー密度と寒冷地での性能が犠牲になるのが難点だ。
「Fordの電気自動車のラインアップは、大きな需要を生み出しています。できるだけ多くのFordの電気自動車をお客様にお届けするために、私たちはNCMとLFPの両方のバッテリーを米国で製造することを約束した最初の自動車メーカーです。私たちは、LFP および NCM 電池の規模を拡大し、何千、何百万という顧客が、時間とともに価格が上昇する最先端で耐久性のある電池技術によるFord電気自動車の恩恵を受け始めるという約束を守っています。」と、Fordの社長兼 CEO であるJim Farley氏は述べている。
LFP電池はもともと北米で発明されたものだが、特許ライセンス契約の関係で、これまでは中国市場のEVに搭載されることがほとんどだった。今回、Fordは中国の電池メーカーであるCATL社とライセンス契約を結び、LFPセルの製造を可能にした。
実は、FordはすでにCATL社からLFPセルの供給を受ける契約を結んでおり、今年末にはMustang Mach Eに、2024年にはF-150 Lightning pickupにオプションとして搭載される予定である。
しかし、2026年に新工場の名称であるBlueOval Battery Park Michiganが稼働すれば、EVのバッテリーパックの国内調達と製造に関連するクリーンカー減税の適用をより容易に受けることができるようになる。新工場の年間生産量は35GWhを予定しており、これはBEV40万台分に相当するとFordは述べている。
これはFordの唯一のバッテリー工場になるわけではない。2021年にSKイノベーションと提携し、テネシー州とケンタッキー州に114億ドルで3つのバッテリー工場を建設する。BlueOvalSKの各工場は、年間43GWhの出力で設計されている。
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