クラウドストレージのDropboxは、AIを搭載した新しいユニバーサル検索ツール「Dash」を発表した。これは、Google Workspace、Slack、Asana、Trello、Outlook、Salesforce、Airtable、JIRAなど、さまざまな接続サービスにまたがって保存されているファイルを、単一の検索バーで横断して検索することを可能にしてくれるものだ。
Dropboxによると、このツールは、コンテンツを共有したり、ミーティングに参加したり、チームメイトが数日前に共有したドキュメントを探したりするために、ユーザーが毎日アプリを切り替えながら費やしている貴重な時間を節約するために設計されているという。ある調査によると、労働者の約69%が毎日アプリ間のナビゲートで1時間も無駄にしており、労働者の約68%が1時間に10回もアプリを切り替えているという。
Dashは、DropboxがCommand+Eという会社を買収した後に実現した。Command+Eのアプリは、アプリの起動、連絡先へのメッセージ、ローカルとクラウド上のドキュメントの検索を1つのショートカットで行うことができる。
DropboxのCEOであるDrew Houston氏は、「Googleが公開情報の検索ボックスを提供してくれたように、私たちにはプライベートな情報の検索ボックスが必要です。そしてそれは、Dropboxのファイルだけでなく、あらゆるものに対して機能する必要があります」と、Dashの意義を説明する。
Dashでは、ファイル名の一部を入力するだけでもファイルを検索できる。ただし、セットアップ時には、すべてのアプリとサービスを手動で接続する必要があり、面倒な作業が必要となる。
デスクトップアプリに加えて、重要なURLやファイルをスマートコレクションに保存・整理するStacksなどの追加機能を提供するDashブラウザ拡張機能も登場した。また、ユニバーサル検索ツールへのアクセス、保存したスタックの表示、ミーティングの開始、最近の作業へのショートカットを提供する単一のダッシュボードも用意されている。
Dropbox Dashは現在ベータ版で、使用するにはウェイティングリストに参加する必要がある。同社はまた、Dashの今後のアップデートで、質問に答えたり、関連するコンテンツを表示したりする機能を導入する予定だと述べている。例えば、次の休暇はいつかと尋ねると、ユニバーサル検索ツールは組織の内部リンクをたどってそれに答えてくれる。
これに加えて、同社は「Dropbox AI」と呼ばれる大規模なドキュメントを要約できるツールを発表した。また、自然言語で質問を入力することで、長い文書から特定の情報を引き出すこともできるという。
現時点では個々のファイルに対して機能するが、将来的にはフォルダやDropboxアカウント全体に拡張される予定だ。Dropbox AIは、米国内のすべてのProカスタマーと、テスト用に選ばれたDropbox Teamsが利用できる。
また合わせて、Dropboxは生成AIへの取り組みを加速させるため、AI分野の新興企業に特化した5000万ドルのベンチャーファンド、Dropbox Venturesを新たに立ち上げている。
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