意図してかミスなのか、Intelがリリースした新しいドライバーによって、Intelがまだ公式に発表していない新型ディスクリートGPUのラインナップが明らかになった。
今回リリースされたドライバは、公式にはArc A350M、A370M、および第12世代Core iGPUモバイルグラフィックスのみをサポートしているにもかかわらず、含まれている情報ファイルには、実際には今後のデスクトップシリーズについても言及されていた。つまり今までリークでしか明らかではなかった内容が初めてIntelの口から明らかになった形だ。
ドライバーパッケージに含まれているファイルには、リリースされていないデスクトップSKUが一覧表示されている。実際、Intelが開発していると噂されている5つのデスクトップSKU(A770、A750、A580、A380、A310 )について、公式な経路から存在が確認されたのはこれが初めてだ。このリストには、デスクトップ用のA780またはA350シリーズの存在は確認出来ない。
今回リストに言及されているArc Aシリーズのラインナップには、32個のXeコアと256ビットのメモリバス幅を持つArc ACM-G10 GPUを搭載するフラッグシップのArc A770が含まれている。以前の噂では、Arc A770のメモリは少なくなり、16GBと8GBの両方のモデルがあるため、まったく異なるSKUのように見えるが、コア仕様は同じままだ。
次に、ミドルレンジのArc A750とArc A580だ。これらのカードは、NVIDIA GeForce RTX 3060シリーズのラインナップと競合する性能となる可能性が高く、それぞれ24個のXe-Core(3072 ALU)と16個のXe-Core(2048 ALU)を搭載する物と見られる。Arc A750は8GBのメモリ(256ビット)を搭載する予定だが、3060シリーズと直接対決する場合は、12 GBのメモリ(192ビットバス)を搭載する可能性もある。Arc A580は、8GBのメモリを搭載すると見られる。
エントリーレベルのラインナップについては、IntelはArc A380、A350、A310の3つの製品を提供する予定だ。モデルは、6GB GDDR6(96ビット)メモリを搭載した最上位のバリアントを備えた8、6、および4Xeコアと、4GB GDDR6メモリ(64ビット)を搭載した他の2つのモデルが予想される。エントリーレベルのラインナップは、NVIDIAの3050およびAMDのNavi 24製品と競合する。さらに、ゲームのバリエーションに加えて、Intelには2つのProのバリエーション、Arc A50とArc A40の準備がある。前者はACM-G10 GPU搭載し、後者はACM-G11GPUを搭載すると見られる。
- Arc A770: ACM-G10 GPU、最大16 GBのメモリ(RTX 3060 Tiより高速)
- Arc A750: ACM-G10 GPU、最大12 GBのメモリ(RTX 3060より高速)
- Arc A580: ACM-G10 GPU、最大8 GBのメモリ(RTX 3060と同等)
- Arc A380: ACM-G11 GPU、最大6 GBのメモリ(RTX 3050より高速)
- Arc A350: ACM-G11 GPU、最大4 GBのメモリ(RTX 3050と同等)
- Arc A310: ACM-G11 GPU、最大4 GBのメモリ(RX 6400より高速)
Intelは最近、ソフトウェアドライバの準備不足とCOVIDロックダウンがサプライチェーンに影響を与えたため、Arcデスクトップカードのラインアップを2022年夏以降に延期する事になったと言われている。Arcシリーズ全体で利用できるGPUは、ノートPC向けのA370MとArc A350Mのみで、それも韓国などの特定市場向けだ。Intelは、2022年第2四半期末までに、他の地域でもモビリティGPUを展開する予定だ。
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