Deloreanが先日発表したコンセプトカー「Alpha2」。このスタイリッシュなクーペは、1980年代に倒産していなかったらどうなっていたかという、遊び心に満ちた想像の産物である。これはあくまでもコンセプトカーで、当初は生産する予定はなかったが、顧客の予想外の要望により、この度生産が開始されることになった。
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Delorean(デロリアン)の名は、恐らく映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のタイムマシンとして最もよく知られているのではないだろうか。映画で登場したのは、同社のDMC-12だが、タイムマシンは社名で呼ばれていた。正式な社名は「Delorean Motor Company(DMC)」だが、同社は1982年に一度倒産している。
テキサス州・アントニオに本社を置く現在のDMCは1995年に商標権を買い取って設立された別会社だ。2021年12月からはKarma Automotive(米国EVベンチャー大手) の元幹部であるJoost de Vries氏がCEOを務めている。
かつてコンセプトカーは、あくまでも“コンセプト”であり、将来、そのブランドの他のクルマに搭載されるかもしれない先進的な機能を含む、可能性を示すものであり、多くはデザインがかなり“とがっている”こともあり、実際に生産されるものではなかった。
Alpha2は、「もし、Deloreanが活動を停止していなかったら、どのようなクルマを発表していただろうか」という想像を膨らませたものだ。未来ではなく、過去を想像するというのがこれまでのコンセプトカーと異なるところだろう。Alpha2は1996年に、Alpha3は2006年に、Alpha4は2013年に発売されていたはずだと、ブランドは言っている。だが、Alpha2に対する反響は同社の予想を遙かに超える物だった。そのコンセプトを見て、エンスージアストが「どうしても欲しい」と言い出した。
「Alpha2を作ってほしいという要望がとても多かった。おそらくごく少量しか作らないだろう。」と、Delorean CEOのJoost de Vries氏は、TopGearに語っている。
このゴージャスな2ドアに関心が集まった理由は簡単だ。ピニンファリーナがデザインしたこのクルマは、象徴的なDMC-12の後継モデルとして計画されながら実現しなかったDMC-24をベースにしている。面白いのは、幌が取り外し可能で、ブランドが得意とするガルウイングスポーツカーというより、当時のシボレー・コルベット、C4のような外観をしていることである。
この車が実際に生産されるかどうかに続くもうひとつの大きな疑問は、ボンネットの下に何が搭載されるかということだ。Alpha2は90年代のものとされ、デロリアンはその特徴についてあまり詳しくは語らなかったが、V型8気筒エンジンを搭載していたはずだと述べている。Alpha5で高級EVメーカーとして再出発しようとしている最中のこのメーカーが、果たして今、ガスエンジン搭載モデルをリリースするだろうか?今後の発表が楽しみだ。
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