中国を拠点とする量子コンピュータ新興企業であるOrigin Quantumが最初のデバイスを販売し、中国は、米国、カナダに次いで商用量子コンピュータ企業を持つ3番目の国になったという。
South China Morning Postによると、Origin Quantumの「Wuyuan」と呼ばれる商用量子コンピュータは、超伝導チップに基づく設計で、24量子ビットを備えているとのことだ。使用する量子処理ユニット (QPU) の数は不明である。同紙は、Origin Quantumが約1年前に「Wuyuan」を無名の顧客に販売したと報じている。
同社関係者は、「Wuyuan」を国内初の “実用的な量子コンピュータ”と位置づけているとのことだ。つまり、中国で製造された最初の量子コンピューターではなく、商業利用を目的に開発された最初の量子コンピューターということだ。中国におけるこれまでの量子コンピュータは、学術的な用途で使用され、量子至上主義と呼ばれる古典的なコンピュータよりもはるかに速い解を提供する記録を打ち立てた装置の一つであった。
Wuyuanの販売は1年以上前であるため、Origin Quantumが商業利用に向けてより高度なバージョンのシステムを準備していることはほぼ確実だろう。同社は、「Wukong」と名付けられた次のシステムが間もなく利用可能になることを示唆している。
昨年夏、中国・合肥市に拠点を置く同社は、10億人民元(193億円)のシリーズB資金調達ラウンドを終了している。
同社は2017年、Guo Guo-ping氏と、量子情報科学の分野で中国で最も活発なエコシステムの1つである中国科学院を中心とする科学者たちによって設立された。そのラウンドは、政府が支援する深センキャピタルグループのHotland Investment Asset Managementが主導し、CITIC Securitiesと中国国際資本公司(CICC)、中国銀行集団投資有限公司(BOCGI)、その他複数の中国の投資機関が追加参加した。
ただ、Origin Quantumの主張では現在、商用量子コンピュータを納入したと主張する唯一の中国企業とのことだが、皮肉なことに同社は、中国の多数の量子コンピュータメーカーが掲載された米国政府のブラックリストには掲載されていないようだ。
Source
- South China Morning Post: Chinese scientists make quantum leap with first practical use computer
- via The Register: China reportedly producing quantum computers – good luck observing one
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