中国のものと疑われる監視気球が、ここ数日、米国本土の上空で目撃された。ホワイトハウスに報告されたが、今のところ、これを落とすための措置はとられていない。
台湾や南シナ海、中国政府が支援するロシアのウクライナ侵攻など、複数の理由で米中関係が緊迫している中での気球発見となり、挑発行為と見る向きもある。
米国のBlinken国務長官は今週末に北京に到着し、関係の緊張を和らげる方法を模索する予定であったが、延期を発表した。
国防総省によるメディアブリーフィングによると、国防省高官は、気球の寸法の詳細や、国防総省がいつから追跡しているのかについては明らかにしなかった。しかし、気球の大きさを分析した結果、同省は、気球が墜落した場合、その破片場から損害を与えるのに十分な大きさであると判断したという。
モンタナ州の上空を飛ぶ気球の映像を、ある地方紙記者が公開しているが、肉眼でも確認出来るものだ。
国防総省は、この気球が中国のものであると「非常に高い信頼性」を持っており、モンタナ州のマルムストロム空軍基地の核ミサイルサイロ場などの地域から機密情報を収集しようとしていると考えられるという。
気球は民間航空機が使用する高度をはるかに超えて飛行しており、民間航空機に対する脅威にはならず、それ自体も米国内の個人に対する脅威にはならない。米軍はホワイトハウスから撃墜命令が出た場合、F22を含む戦闘機の準備を整えた。しかし、十分な評価を行った結果、気球の撃墜は行われないことが決定された。
国防省高官はまた、中国が飛ばしたとされる高高度気球が米国領土上空で目撃されたのは今回が初めてではない、と報道陣に語った。具体的な内容には触れず、Biden政権が発足した2021年以前にも同様の目撃例があったと付け加えた。
今回の事件は、気球が米国領空をうろついていた期間という点で、明らかに異質だ。しかし、気球が搭載している技術を考慮すると国防総省は、中国がスパイ衛星ですでにできる以上の情報を収集することはできなかっただろうと考えている。
今のところ、気球による情報収集を防ぐために国防総省が現在何をしているのか、気球が撃墜されなかったらどうなるのかは不明だと、AP通信はその報道で述べている。
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