ChatGPTやBing Chatの様なチャットボットは、新たに会話を始めるときは、常にあなたと真っ新な状態で向き合うようになっている。何百回も会話をしたのに、その都度チャットボットはあなたが誰なのか、どんな会話を過去にしたのか、どんな好みなのか、全く知らないし、覚えていないのだ。
だが、今回新たにOpenAIがChatGPTに施した改良は、その状況を少し前進させてくれる。新たな機能「カスタム指示(Custom Instructions)」によって、ユーザーは特定の事実や情報を予めChatGPTチャットボットに追加することができ、保存しておいて、後で再利用することが可能になったのだ。
ベータ版では、まずChatGPT Plusの有料ユーザーに提供され、その後数週間で全ユーザーに提供されるようになるという。ヘルプページには、各チャットでChatGPTが考慮すべき情報と、ChatGPTがどのように対応すべきかのガイダンスが含まれている。
ユーザーはChatGPTに指示を一度だけ入力すれば、AIチャットボットは今後のすべての会話でその指示に従うようになるそうだ。
Web版では、画面左下のユーザー名をクリック→「Setting」→「Beta features」の中の「Custom instructions」をクリックすれば利用可能になる。
その後、再度ユーザー名をクリックすると、メニューの中に「Custom instructions」が追加されており、そこからカスタム指示を保存しておくことが可能になるのだ。
質問は2つあり、「ChatGPTに知っておいてほしいこと」と、「どのように応答してほしいか」の項目があり、それぞれに指示をしておけばそれに則って応えてくれる。
例えば、プログラマーがコーディング支援のためにチャットボットを使いたいが、Python言語を使いたくない場合、プログラマーは前もってPythonを使わないようにChatGPTに予め覚えておいてもらうことが出来る。
また、授業計画を作成している教師は、ChatGPTを使用する際、カスタム指示を使用することで、3年生の理科のように、特定の学年と教科のためのものであることを記憶するように指示することができるとのことだ。
注目すべきことに、OpenAIは、カスタマイズされた応答に与えられた情報は、異なる指示に適応するためにAPIモデルを訓練するために使用されると述べている。
カスタム指示の使用から得られた情報は、モデルのパフォーマンスを向上させるためにも使用されるようだが、ユーザーはデータコントロールの設定でこの設定をオプトアウトすることも可能となっている。
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