スマートフォンは現代生活の必需品であり、世界の見方や見せ方を変えつつある。オーストラリア人のほぼ90%が所有しており、毎日平均5.6時間をスマートフォンで過ごしている。また、今年撮影された写真の90%以上がスマートフォンで撮影されている。
しかし、私たちが最近行ったように、60歳のカメラロールと13歳のカメラロールを比較すると、驚くような違いが見つかるだろう。『Journal of Visual Literacy』誌に掲載された研究では、世代によってスマートフォンがどのように写真に使われているのか、また、これらのデバイスがどのように私たちの世界の見方を変えているのかを明らかにする、より広範な傾向について調べた。
私たちが観察した5つのパターンを紹介しよう。
1.より気軽に、より幅広い被写体で撮影するようになった
2007年に初めてスマートフォンのカメラが発売される以前は、カメラはより選択的に、より狭い範囲で使われていた。結婚式や卒業式などのイベントや、休日の観光地などでしか見かけなかったかもしれない。
しかし今では、日常生活のいたるところにカメラがある。私たちはスマートフォンを使って、食事や毎日のジム通い、授業風景を記録するだけでなく、生活の中の「特別な」瞬間も記録している。
多くの中高年は、スマートフォンを仕事用として最も活用している。ある参加者はこう言った:
保存しておきたい情報や、クライアントの仕事の写真を撮って、自分宛にメールで送ってパソコンに入れることが多い。友だちの写真を撮ったりするのは、ちょっとサボり気味な気もするけど……日常では、基本的に仕事で写真を撮ってどこかにアップロードするという使い方が多い気がする。
2.私たちは自撮りに夢中ではない
私たちの参加者は、スマートフォンの前面 “自撮り”カメラを14%しか使っていない。彼らは自撮りにまつわる汚名を認め、ナルシストだと思われたくなかったのだ。
3.縦構図が増えた
過去数年間は、かさばるデジタル一眼レフカメラであれ、軽量の使い捨てカメラであれ、両手で横向きに持つのが「デフォルト」のグリップだった。これでは横向きの写真になる。
しかし、スマートフォンの縦長デザインや、InstagramやSnapchatのような付随するアプリによって、縦向きの写真が多くなっている。参加者は、スマートフォンのカメラをこのように持つ方が便利で早いと答えた。
4.私たちは距離を置きたい
参加者は、近づくよりも遠くから人物を撮影することが多かった。親密な “頭と顔 “のフレーミングは、画像の10%未満しか存在しなかった。
ある参加者の言葉を借りれば:
友達も私も、親が写真をズームしたり、すごく近づいてきたりすると、イライラするんだ。私の母は、いつも私の顔の真正面から写真を撮るの!こんなの見たくない。ズームインはイライラする!
5.オンラインで見たものからインスピレーションを受ける
特にティーンエイジャーは、ソーシャルメディア、特にInstagramが視覚的感性に影響を与えていると述べている。高齢者は、写真集や雑誌、ポスターなどの物理的なメディアから美的感覚を得る傾向が強かった。
このような美的インスピレーションは、写真を撮る対象やその方法にも影響を与える。例えば、若者は中心を意識した構図のアプローチを最も多く挙げた。対照的に、年配の世代は「三分の一の法則」的なアプローチをよく使っていた。
ある参加者は、世代間の違いをこう対比した:
(若い人たちは)構図とか光の使い方とか、そういうイメージを得るための美学的な側面に対する関心が本当に欠けているようだ。私とパートナーが子供だった頃、様々な美学やイメージに触れる機会は非常に限られていた。テレビの4チャンネル、雑誌、たまに映画、レコードのジャケット、それだけだった。それに対して最近の子供たちは、イメージは飽和状態だけど、美的な側面はそれほど重要視していないようだ。
なぜ画像の作り方が重要なのか
テクノロジーが人々の世界の見方や写真の作り方を変えつつある一方で、私たちがなぜそのようなことをするのか、そしてどのような効果があるのかを考えることは重要である。
例えば、私たちが使用するカメラアングルは、被写体から象徴的な力を与えたり奪ったりすることがある。スポーツ選手や政治家を下から撮れば、より強く、英雄的に見えるし、難民を上から撮れば、迫力がなくなる。
私たちが使用するカメラアングルは、無害であったり、実用的なものであったりすることもある(後で払い戻しを受けるために領収書を撮影することを考えてみよう)。
毎年作られる画像の数が増え、画像を作る新しい方法が出てくるにつれ、カメラやその他の画像作成技術をどのように使うかについて思慮深くあることがより重要になってくる。
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