Mercedes-BenzはオールEV計画を後退させ、”2030年代まで”ガソリンエンジン車の製造を続ける計画を明らかにした。
同社は2021年に電動化計画を発表し、少なくともそれをサポートするインフラが整っている国では、2030年からバッテリーEVのみを販売するとしていた。
Mercedes-BenzはEVをあきらめてはいないが、ハイブリッドEVとBEVを含む電動化車両が、この10年の後半には販売台数の半分を占めるようになるとしか考えていないという。2021年からの100%コミットメントを大幅に下回っているものだ。オール電化に向けて必要なステップを踏んでいるとしながらも、「2030年代まで、オール電化のドライブトレインであれ、電動化された内燃機関であれ、さまざまな顧客のニーズに応えることができる状態にあることを計画している」としている。
だが、こうした流れはMercedes-Benzだけではない。実際、Business Insiderの報道によると、大手自動車メーカーは、この技術が期待外れであることを率直に語るようになっており、EVへの投資を大幅に削減し始めているという。
米国国内では、最大手の自動車メーカーのひとつであるGMが警鐘を鳴らしている。同社は今週の決算説明会で、今年下半期に10万台、2024年上半期までに40万台のEVを製造するという目標を捨てると述べた。新たな目標は明言しておらず、いつ以前の目標を達成できるかわからないとしている。
GMのMary Barra最高経営責任者(CEO)は決算説明会で、「EVへの転換が進むにつれ、少し揺れ動く」と述べた。
日本の自動車メーカーも同じ意見のようだ。今週、ホンダは3万ドル以下の小型EVのラインナップをリリースする計画を断念すると発表した。
「1年間検討した結果、ビジネスとして難しいと判断したため、現時点では手頃な価格のEVの開発は終了する」と、ホンダの三部 敏宏CEOはBloombergのインタビューに答えた。
トヨタ自動車の豊田章男会長は、アメリカでのEV需要の落ち込みを受け、業界はこの技術について清算を迫られていると述べた。
The Wall Street Journal紙が引用したように、「人々はようやく現実を見るようになった」と豊田氏は語った。そして、カーボンニュートラルの目標を達成する唯一の方法がEVではないことを示唆した。
暗い話ばかりだが、EVの販売台数が実際にまだ伸びていることは注目に値する。調査会社Motor Intelligenceによると、2023年上半期の販売台数は51%増加した。しかし、自動車メーカーを不安にさせているのは、その成長ペースが横ばいになっていることだ。
とはいえ、自動車価格は上がり続けている。補助金があるとは言え、EVの価格は高い。
この技術に終末の鐘を鳴らすのは早計だが、自動車メーカー自身が終末を告げているのは気にかかるところではある。Appleも長年続けてきた自動車開発を断念しており、今後この分野がどう進んでいくのか、先の見えない展開になりそうだ。
Sources
- Mercedes-Benz: Mercedes-Benz prepares to go all-electric
- Bloomberg: Honda CEO Says Halting Plans With GM to Develop Smaller EVs
- Business Insider: Auto execs are coming clean: EVs aren’t working
- The Wall Street Journal: Toyota Chairman Says People Are Finally Seeing the Reality About EVs
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