AnTuTuが、2022年5月のAndroidスマートフォンのパフォーマンスランキングを価格帯別に発表した。
AnTuTu : 5月Android手机性能榜:天玑8100称霸次旗舰
ランキングは、「フラグシップ」「サブフラグシップ」「ミドルレンジ」のセグメントで分けて実行された。
「フラグシップ」セグメント
1位は平均スコア1,048,179のBlack Shark 5 Pro(Black Shark)、2位は平均スコア1,032,445のRed Magic 7 Pro(ZTE)、3位は平均スコアが1,020,942のSavior Y90 Gaming Phone(Lenovo)となる。
上位3機は全てゲーミングスマートフォンとなる。そして、共通しているのは、Snapdragon 8 Gen 1を搭載していることだ。
AnTuTuのリポートによると、CPUパフォーマンスではDimensity 9000が勝っているが、GPUパフォーマンスではSnapdragon 8 Gen 1に後塵を拝しているようだ。ここは、GPUに長年取り組んできたQualcommに一日の長があるようだ。
また、パフォーマンスランキングについては、特に上位3機種についてはそれぞれに独自の工夫が見られ、それがパフォーマンスアップに繋がったとしている。特にRed Magic 7 ProとSavior Y90は空冷のアクティブクーラーを搭載しており、CPU/GPU共に高周波数を維持できるようだ。
また、Black Shark 5 ProはSSD+UFS 3.1によりストレージが高速化し、メモリ性能が大幅にアップしている。
「サブフラグシップ」セグメント
このセグメントでは、驚くべき事に10モデルのうち8モデルにMediaTekプロセッサが搭載されている。そしてそのほとんどが、少し前にリリースされたDimensity 8100となる。
サブフラグシップで1位にランクインしているのは、平均スコア814995のvivo S15 Pro(vivo)となる。2位と3位はそれぞれrealme GT Neo3(realme)とRedmi Note 11T Pro+(Xiaomi)だが、この3つは基本的に中身は同じ物で、ゲーミングスマートフォンのように、独自の冷却機構を持ったり、Dimensity 8100に調整を施したりと言った事もないため、スコアも似たり寄ったりだ。
さらに、一部のモデルにはDimensity 8100-Maxが搭載されているが、こちらは主にAI機能のみが改善されているモデルとなり、パフォーマンスの向上はそれほど大きくないようだ。
「ミドルレンジ」セグメント
このセグメントでは、新しいデバイスはパフォーマンスが高く、安価なDimensity 8000シリーズの搭載が多くなっている。さらに、ミドルレンジプロセッサの更新速度が遅くなっているため、多くをQualcommのSnapdragon 778G/Plusプロセッサの搭載機が多くなっている。
ミドルレンジ機はフラッグシップ機のように周波数を高める事があまりないため、放熱も余裕がある。したがって、これらのモデルの結果は、 Snapdragon 778Gの結果そのものとなり、搭載機では差があまりなくなる。
そんな中、iQOO Z5(vivo)が1位を獲得しているのは、搭載チップが要因ではなく、その他のRAM、搭載ストレージなどで差が付けられているからだろう。iQOO Z5にはLPDDR5(6400Mbps)+ UFS3.1が搭載されている。
先日、QualcommはTSMC 4nmプロセスのSnapdragon 7 Gen 1をリリースした。Qualcommによる久しぶりのミドルレンジプロセッサの更新となり、搭載デバイスでのパフォーマンスアップが期待される。
総括
全体として、フラグシップセグメントのパフォーマンスランキングは依然としてQualcommが大多数を占めており、MediaTekはそのパフォーマンスの割にほとんど見られない。絶対数として、QualcommのSnapdragon 8 Gen 1の搭載機種が多い事も原因の1つのようだ。
サブフラグシップではMediaTekの活躍が目立つ。Dimensity8100はランキングを独占しており、多くのシェアを獲得しているようだ。
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