OpenAIの元従業員が設立したAIスタートアップAnthropicは、7億5000万ドルの資金確保に向けて交渉を進めているようだ。安全性に特化した会話型AI「Claude」の開発を強化するのが目的で、この資金調達によって、Anthropicの評価額は180億ドルに達する可能性がある。
この件に詳しい関係者によると、シリコンバレーのベンチャーキャピタル、Menlo Venturesがこの資金調達ラウンドの陣頭指揮を執っている。しかし、この取引はまだ確定しておらず、秘密裏に行われているようだ。
Anthropicは最近、積極的に投資を行っている。Amazonは9月に最大40億ドルの投資しており、Alphabet傘下のGoogleは10月に20億ドルを投じている。いずれの投資も転換社債型であり、Anthropicの潜在的成長に対する強い信任を示すものだった。
このスタートアップの主力製品である会話型AIチャットボットClaudeは、要約、検索、質問応答、コーディングなど様々なタスクを実行するように設計されている。創業者たちは、会社の方向性の違いからOpenAIを去り、Anthropicを急速に進化するAIの展望における明確なプレーヤーとして位置づけている。
Anthropicの躍進
注目すべきは、Anthropicがイノベーションに注力しているだけでなく、責任あるAIの実践を重視していることだ。同社は公益法人として登録されており、より大きな利益を推進するというコミットメントを示している。同社は、取締役会とは別に利害関係のないメンバーで構成される長期給付信託の下で運営されている。
今年初め、AnthropicはGoogleと大規模なクラウド契約を結び、その後Googleからの投資は20億ドルを上回ったと伝えられている。AmazonもまたAnthropicと取引しており、クラウドサービスプロバイダーが将来有望なAIスタートアップに投資し、将来的な関係を築き、最先端のAI開発に必要な膨大なコンピューティングリソースを利用するというトレンドと一致している。
今年初めのPitchBookのデータでは、Anthropicの評価額は約50億ドルで、最近の資金調達ラウンドでの著しい急上昇を反映している。Anthropicは、Microsoftが100億ドルを投資しているAI企業OpenAIの最も有力なライバルと目されている。
AnthropicもOpenAIも、プロンプトに応じてコンテンツを生成できる高度なチャットボットの構築に専念している。今回の資金調達が成功すれば、急速に拡大するAI分野で、Anthropicは最も潤沢な資金を持つ有望なプレイヤーの一社としての地位を固めることになる。
Source
- The Information: Anthropic to Raise $750 Million in Menlo Ventures-Led Deal
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