Bloombergによると、Alexaで初期のAIボットの先鞭を付けていたAmazonが、ChatGPTでテクノロジー業界の話題の中心となっている、AIチャットボットレースへの参加を計画しているようだ。
Amazonは現在、商品に関する質問への回答、商品の比較、提案のパーソナライズなどを行う新しい「対話型会話体験」で「Amazon検索を再構築」することを説明する機械学習重視の上級ソフトウェアエンジニアの求人情報を掲載している。とはいえ、これはAmazonにとって、生成AIを介してユーザーの経験を向上させるためにAI/MLを統合する、最初の試みではない。
「これは、30年前にMosaicブラウザがインターネットをより使いやすくしたように、検索にとって一世一代の変革になるでしょう。・・・・・・ 90年代のWWW、Mosaic、そしてAmazonとGoogleの創業を懐かしむなら、この機会を逃す手はない。このビジョンをすぐにでもお客様にお届けしたい 」と、Amazonはこれらの変更を迅速に実施する意欲を表明している。
Amazonの検索AIがどのように機能するかはわからないが、Google BardやMicrosoft Bingに似たシステムを想像することはできる。ボットに欲しいものを伝えると、ボットが情報を提供し、その後の質問で検索を絞り込むことができる。おそらく、標準的な検索では失敗するような、あいまいな質問をAIに投げかけることもできるはずだ。BingやBardでは、ほとんどすべてのタスクに最適な製品を尋ねることが出来るが、現在Amazonで同様の検索をすると、芳しくない結果が返される。
インターネット上の検索最適化は、複雑で多面的な技術であり、検索する側にとっては不透明な部分が多い。しかし、Amazonの検索最適化は、単純で役に立たない。更に、Amazonの検索体験は、スポンサーコンテンツや広告が検索結果に大きく表示されることで大きな批判を浴びてきた。The Washington Post紙の調査では、さまざまな装いで表示される圧倒的な数のスポンサー付き商品が紹介されている。これらの商品は、「スポンサー付き」というラベルの下に存在するだけでなく、「高評価」の下にも密かに存在し、多くはAmazonの自社ブランドの商品も構成している。
Amazonが生成AIを用いたとしても、恐らくこの傾向は変わらないだろう。とはいえ、それでも消費者が求める適切な商品へ誘導することができれば、ショッピングをより快適にすることは出来るはずだ。
もちろん、それはうまくいけばの話だ。生成AIは、大量のデータで訓練する必要があり、それによって言葉の関係を理解できるようになる。ChatGPTのような生成AIは、十分な訓練があれば、すでに見たものをもとに新しいコンテンツを出力することが出来る。Amazonの場合、AIはAmazonの膨大な商品リストに目を通し、ユーザーの検索にマッチさせる必要がある。商品の重要な部分をいかに理解するか(あるいは理解しないか)が、成功を左右するだろう。
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