Amazonは、AIを搭載したコーディングアシスタントを個人の開発者向けに無料化し、ライバルであるMicrosoftが提供する、「GitHub Copilot」が月額10ドルで提供している分野に殴り込みをかけた。このAmazonの新しいツール「CodeWhisperer」は、利用を申し込んだすべての人に提供されるとのことだ。
Amazonは昨年、CodeWhispererをプレビュー版として発表した。開発者はVisual Studio Codeなどのさまざまな統合開発環境(IDE)内で使用でき、テキストベースのプロンプトに基づいてコード行を生成することができる。当初はAmazon Web Servicesの顧客のみが利用可能だったが、今回発表された無料プランにより、AWSを利用していない開発者でも、より利用しやすくなるはずだ。
CodeWhispererは、潜在的に偏ったコードや不公平なコード提案を自動的にフィルタリングし、オープンソースのトレーニングデータと類似したコードにフラグを付けする。また、セキュリティスキャン機能を搭載しており、開発者のコード内の脆弱性を特定し、発見されたセキュリティギャップを解消するための提案を提供することが出来る。CodeWhispererは現在、Python、Java、JavaScript、TypeScript、C#を含む複数の言語、Go、Rust、PHP、Ruby、Kotlin、C、C++、Shellスクリプト、SQL、Scalaをサポートしている。
Microsoft傘下のGitHubは、昨年6月に発表したAIツール「Copilot」でAmazonに先手を打った。このコーディングアシスタントは、同様にIDE内からコードを生成して提案するものだが、Microsoftはこのツールを学生や人気のオープンソースプロジェクトに取り組む開発者向けにのみ無料化し、その他のすべてのユーザーにはアクセスに月10ドル、または年100ドルの支払いを求めている。GoogleのDeepMindも独自のAlphaCodeツールを持っているが、まだテスト中である。
しかし、Amazonが発表したAI関連のニュースはこれだけではない。同社は、顧客企業が生成的なAIアプリを構築し、拡張するのを支援する「Bedrock」と呼ばれる新たなサービスを発表した。これには、AnthropicのClaude、Stable Diffusion、Amazon Titanなど、開発者が構築できるさまざまな基礎モデル(FM)が付属している。これにより、サードパーティは、テキストの生成、質問への回答、要約の作成などを行うAI搭載ツールを容易に作成できるようになるはずだ。
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