2022年2月、オランダの造船所で建造中だった、Amazon創業者のJeff Bezos氏の超巨大ヨットを海に出すために、港町ロッテルダムにある歴史的な鉄橋「コーニングスハーフェン橋」が支障となるため、一部解体されるというニュースが報道された。当時はこれに対する批判が巻き起こり大きなニュースとなった。
これを受けて、造船会社は7月に橋の解体に必要な許可を申請しないことを決定したことが伝えられた。
今回、このメガヨットは歴史的建造物に傷を付けることなく、8月2日に無事造船所から出ることができたと報じられた。その代わり、ヨットはマストなしの状態で、少し離れた別の造船所まで牽引されたと、Jalopnikが報じている。
もし、橋を解体して再建するとしたら、恐らく彼にとっては大した額ではないだろうが、すべてBezos氏の費用負担になっていただろう。それでも、人々の反対は止まらなかった。
この有名な橋は、「De Hef」と呼ばれ、第二次世界大戦中のドイツ空軍の爆撃で大きな被害を受けた国家遺産である。その後、2017年に改修され、ロッテルダム市議会は橋が手つかずの状態で永遠に保存されることを住民に約束した。
そのため、Bezos氏のヨットを建造するOceancoがこの橋の解体許可を申請したとき、オランダ人は怒りに満ちた反応を見せた。Facebookで「メガヨットが通過したら、卵をぶつける」というグループまで立ち上げられ、3,000人以上が登録した。幸いなことに、De Hefの解体は却下され、暴力沙汰は起こらなかった。
だからといって、オセアンコ社が見つけた船の移動という新たな解決策を評価しない住民もいた。
オランダのヨット愛好家Hanco Bol氏は、Y721と名付けられた全長127メートルの3本マストのヨットが、アルブラセルダムのOceancoの造船所から、38km離れたロッテルダムのグリーンポート造船所に移設されているビデオを投稿した。
「あんなに速く走る輸送船は見たことがない」と、Bol氏はその時のことを書いている。全行程は3時間足らずである。通常ならその倍近い時間がかかる。5億ドルもする船は、数隻のタグボートに引かれていた。
グリーンポートに到着した船は、これからマストを取り付け、海上でテストを行う。今後はエンジニアは船を造船所に戻して改良・修理する方法を考えなければならないが、それはまた別の話だ。
この船が完成したあかつきには、世界最大のヨットという称号を手に入れることができるだろう。
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