ADATA、メモリモジュールの冷却性能を10%高める新しいコーティング技術を披露

masapoco
投稿日 2024年3月9日 6:39

ADATAは、メモリモジュールの動作温度を大幅に低下させる新しいサーマルコーティング技術を発表した。同社は、今年第2四半期からXPGブランドの高性能DDR5 RAMキットのPCBにこの新しいコーティングを採用する予定であると述べている。

ADATAによれば、この新コーティングは、温度を10%以上低減することが可能とのことだ。実際のテストでは、標準的な冷却ソリューションと比較して、オーバークロックされたDDR5メモリで8.5℃の温度低減が実証されたとしている。ADATAのプレスリリースによると、この新コーティングにより、ゲーマーやエクストリーム・オーバークロック愛好家は、熱を気にすることなく、マシンをより高性能にチューニングできるようになる。

新技術の冷却能力を実証するため、ADATAはサーマルカメラを使用し、コーティングを施したLancer Neon 8000MT/秒DDR5キットと施していないLancer Neon 8000MT/秒DDR5キットの動作温度を記録した。コーティングなしのモジュール(左側)は78.5℃で動作しているのが確認でき、コーティングありの2つのモジュール(右側)は70℃で記録されている。

少なくとも現時点では、新しいサーマルコーティング技術が採用されるのは、8000MT/s以上で動作するオーバークロックDDR5ゲーミングメモリに限定される。この新機能を搭載する最初の製品は、6月に台湾で開催されるComputex 2024で発表される予定のLancer Neon RGBおよびLancer RGBシリーズで、その後、今年後半に発売される予定だ。

熱はコンピュータ・ハードウェアの最も懸念すべき問題の1つであり、超高速またはオーバークロックのメモリ・モジュールによって発生する高温は、システムの安定性、性能、信頼性に悪影響を及ぼす可能性がある。一般的に、CPUやGPUの冷却ソリューションに多額の投資をする一方で、特にRAMをオーバークロックするユーザーにとっては、メモリモジュールにも効果的な冷却が必要となる。しかし、ほとんどの場合は、標準的な内蔵ヒートスプレッダで事足りる。

ADATAの新技術は、明らかに極端なオーバークロッカーというニッチなグループをターゲットにしているが、大幅な低温化という主張が独立したテストで通用するかどうかは未知数だ。また、このコーティングが通常のヒートスプレッダと同等の耐久性を持つのか、それともすぐに摩耗してメモリモジュールの寿命に悪影響を及ぼすのか、興味深いところだ。


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