Accentureの調査によると、約73%の企業がAIに優先的に投資しており、その中でも業務の弾力性を向上させることに焦点を当てていることが判明した。
報告書『Reinventing Enterprise Operations』によれば、業界リーダーの90%が、財務(89%)やサプライヤ(88%)といったデータ駆動型の能力を含む業務の弾力性向上にAIを活用しているとのことだ。Accentureは、本レポートの作成にあたり、世界12カ国、15業種、1,657社の経営幹部1,700名を対象にアンケート調査を実施した。
同社は、業務成熟度を6つの要素(AI、データ、プロセス、人材、協働、ステークホルダー体験)で評価した結果、成熟度の高い企業(9%)は、全ての要素において成熟度を達成しており、その企業は、競合他社に比べて1.4倍高いオペレーティングマージンを達成し、42%の高速イノベーション、34%のサステイナビリティ向上、30%の高い満足度スコアを実現していることが分かった。
企業の人材戦略は、データとデジタルの成熟度と同じように、訓練と専門技能に重点を置くことで、平均して3倍(11%)の生産性を達成していることも明らかになった。これに加えて、新しい働き方に対する投資(94%)や、次の3年間に専門的で技術的な人材を増やす計画を立てるCOO、CIO、CHROの90%の回答も報告されている。
この機会を最大限に活用するために、リーダーたちは次の5つの行動を取ることが求められる。
- AIの体験を人間化すること。
- データを重要視し、意思決定のための最も効果的な洞察を捕捉するために、バイアスを排除して議論を促進し、明確な戦略を策定すること。
- プロセスの革新を行い、AI駆動の洞察を適用して新たな効率性を発見し、ビジネスプロセス改善を最適化するためにシナリオ変更をシミュレーションすること。
- 柔軟な労働力を作ること。従業員に必要なテクノロジーツールを選択できるようにすることで、労働力戦略に柔軟性を持たせること。
- 360度アプローチを取り入れること。顧客、従業員、その他のエコシステムパートナーからのデータ駆動型の洞察を活用して、機能全体を包括的に構築し、価値創造を促進すること。
AccentureのYusuf TayobグループCEOは、「すべてのCEOは、より速くデジタル化し、ビジネスにより弾力性を持たせ、成長の新たな道筋を見つけるという圧力にさらされています。テクノロジーへの適切な投資は、人材、データ、プロセスを進歩させることで、新しいパフォーマンスのフロンティアを推進するものです」と述べている。
大きなメリットをもたらす一方で、大きなリスクも伴う。Accentureによると、最も大きなものの1つは、従業員の変化に対する抵抗感だ。従業員は新しいテクノロジーやプロセスを受け入れることに躊躇し、移行を遅らせる可能性がある。
もう一つの大きなリスクは、デジタル技術とビジネス目標の不整合だ。場合によっては、組織がデジタル技術に投資しても、最も差し迫ったビジネス課題を解決できないことがある。その結果、リソースの無駄遣いや機会の逸失につながる可能性が生じる。また、能力のレベルに差があるため、チームのスキルアップも大きな問題となる。
このような課題にもかかわらず、企業が今日の目まぐるしいビジネス環境の中で競争力を維持するためには、企業運営の改革が極めて重要だ。Accentureは、適切な戦略パートナーの選択、全社的な戦略の採用、バウンダリーレス機能の重視、継続的な改革へのコミット、人材戦略の重視、デジタルコアを競争優位の主要な源泉とすることを推奨している。
Tayob氏は、「先進的な企業と提携することで、企業は新しいデジタル機能を適用する際に予想外の課題や遅れを克服することができます。新しいプロセスを合理化するために、適切な業界の専門知識、人材、リソースを提供することで、企業はより直接的な価値を高めることができます」と、述べている。
Source
コメントを残す