最近Google検索の結果が悪化していると感じているのならば、それはあなたの勘違いではないかも知れない。ドイツのライプツィヒ大学とバウハウス大学、スケーラブル・データ分析・人工知能センターの研究者らが発表した最近の論文では、検索エンジンの結果品質が顕著に悪化したと指摘されている。
彼らはGoogle、Bing、DuckDuckGoにおける7,392件の商品レビューのクエリの結果を1年かけて検証した結果、このような判断を下した。これは、検索エンジンの結果品質に関する初めての体系的な検討を行った物である。
「上位にランクされたページは平均して、より最適化され、アフィリエイト・マーケティングでより収益化され、テキストの質が低下していると結論づけることができる」と、研究者らは指摘している。また、製品レビューのごく一部がアフィリエイト・マーケティングを利用している一方で、検索エンジンの検索結果の大部分はアフィリエイト・マーケティングを利用しており、検索エンジンの検索結果ページ(SERP)の質の低さという問題に拍車をかけているとのことだ。
「すべての検索エンジンは、高度に最適化された(アフィリエイト)コンテンツに重大な問題を抱えている……さらに、アフィリエイトマーケティングの利用とコンテンツの複雑さの間に逆相関があることを観察している」「検索エンジンはSEOスパムという猫とネズミのゲームに負けているようだ」と、研究者らは締めくくっている。
同様の指摘を行っているのは研究者らだけではない。
「私の14年のキャリアで見たGoogleの検索結果の中で、最も質が悪い」と、著名なSEO専門家Lily Ray氏もFortune誌に語っている。「今は、詐欺師が勝っているように感じます」。
そして、この時点で予想されるように、生成AIがこの低品質コンテンツの拡散において中心的な役割を果たしている可能性が高い。
「良心的なコンテンツと、コンテンツファームやリンクファームの形をしたスパムの境界線はますます曖昧になっている。この状況は生成AIの登場により確実に悪化するだろう」と、研究者らは指摘する。
アフィリエイト・スパムに関しては、実験開始以来多少の改善が見られたものの、研究チームは依然として「テキストの質の低下傾向」を観察しており、「改善の余地がかなり残されている」と述べている。
生成AIがインターネットを徐々にダメにしているという説を裏付ける証拠はたくさんある。
先日も、Web上に低品質な機械翻訳文章が氾濫し、AIトレーニングにも影響を与えかねない事が指摘されている。
そして、この新しいテクノロジーはSEOと相互に有益な関係にある。SEOとは、「Search Engine Optimization: 検索エンジン最適化」のことで、コンテンツの発見可能性を高め、検索結果で上位に表示されるようにコンテンツを調整することであり、Googleの状況をさらに悪化させているようだ。
AIが現実との結びつきが弱く、デタラメを吐き出す可能性や真実を伝えることができないことを考えると、良い兆候とは言えないだろう。
Googleは、「世界中の情報を整理する」というその設立の理念でもあり、存在の意義すらも揺るがしかねない事態に少しずつ足を踏み入れているのではないだろうか。
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