Visual Capitalistは、毎年作成しているビデオゲーム収益の市場シェアを示すインフォグラフィックを公開した。これは英国の市場調査会社Pelham Smithersから提供されたデータを元に、1970年に始まったビデオゲームの誕生から今日までのインフレ調整後の収益を視覚化している物である。
モバイルゲームのシェアが圧倒的(全体の55.3%)なのは言うまでもないが、興味深いのはここ10年ほどはPCゲーム市場がコンソール市場を大きく上回る収益シェアを獲得しているという事実だ。2023年のデータはまだ不明だが、2022年の時点ではPCゲームの売上は450億ドルであり、コンソールの300億ドルを大きく上回っている。
ただし、これは収益の指標であり、必ずしも販売本数ではない点には注意が必要だろう。例えば、『World of Warcraft』(2004年)のようなMMOや、『Team Fortress 2』のような基本無料で月額料金やアイテム課金で収益を得るタイプのゲームも多く存在している。TF2は2023年現在もSteamの「最もプレイされたトップ24」にランクインしており、両タイトルとも開発元から高頻度でアップデートが提供されている。
PCでも販売本数は悪くない。Steamだけでも2023年には14,534タイトルのゲームが発売され、Steam単体での売上は2020年には90億ドルに達すると推定されている。
2021年をピークに市場が縮小している事には様々な要因があるだろうが、最も大きな物は新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる開発の停滞と新規タイトルの遅延が挙げられる。だが2023年には、パンデミックによって発売が遅れた多くのAAAおよびAAゲームが発売されたため、コンソールゲーム機もかなりの急成長を遂げた。特にPlayStation 5の『Final Fantasy XVI』(2023年)や『スパイダーマン2』(2023年)などがこれにあたる。
VR市場は若干の縮小が見られるが、現在はMetaがほとんど独占状態で競争のない市場に対し、AppleのVision ProやGoogle、Samsungなどの多くの挑戦者によって新たな刺激が生まれる事で市場が活性化され、拡大している事が期待される。
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