Appleがいよいよ来週のWWDC 2023にてAR/VRヘッドセットを発表すると噂される中、先手を打ってMetaは、同社のVR部門を牽引するVRヘッドセットの最新機種「Meta Quest 3」を発表した。
発表は、Metaが本日開催したMeta Quest Games Showcaseの前に、CEOのMark Zuckerberg氏によって電撃的に行われた。
Quest 3は、Metaが昨年発売したフラグシップモデル「Quest Pro」と同様に、複合現実(MR)機能もサポートし、フルカラーパススルーに対応する。これは、新たなQuest 3のデザイン上の特徴でもある、前面のピル型に配置された外部カメラを通してユーザーの周囲の環境を画面上に映し出し、そこに拡張現実の要素を溶け込ませ、あたかもそこに例えばゲームキャラなどが“存在している”かのように見せる機能だ。Zuckerberg氏は、「高解像度カラーミックスリアリティを搭載した初のメインストリームヘッドセット」と、この機能を誇っている。
光学系の刷新により大幅な薄型化を実現
正式な発表に先立ち、BloombergのMark Gurman氏が試用した感想をレポートしていた中で触れていたが、前モデルのQuest 2に比べて、新たなQuest 3は40%も薄くなり、快適な装着感を実現しているという。
具体的なスペックシートは公開されていないが、Metaは公式発表の中で「ディスプレイの解像度が向上し、2倍のグラフィック性能を持つ次世代Qualcommチップセットを搭載。これまでで最もパワフルなヘッドセット」と述べている。Metaは、Qualcommのチップセットについては今年の後半に詳細を発表するとしている。
Quest 2で採用されていたフレネルレンズからパンケーキレンズへと光学系のアップデートが図られており、これもあり大幅な薄型化が実現されたようだ。
Quest 3は、400万画素RGBカラーカメラを2台搭載し、プレイ空間をより正確に表現する深度センサーを搭載し、「パススルーのピクセル数がQuest 2に比べて10倍増加」しているとMetaは述べている。これは、一桁価格が上のQuest Proでも採用された物で、光学系で言えば同等レベルの性能を備えているようだ。Quest 3では、Quest Proで搭載されていた視線・表情トラッキングといった機能を省くことで、より普及価格帯に近づけたと見られる。
より自然に使える「Touch Plus」コントローラー
Quest 2(あるいはQuest Pro)からのもう一つの大きな変更点は、新たに「Touch Plus」と名付けられたコントローラーで、Metaによれば、より合理的で人間工学に基づいたフォームファクターで完全に再設計されたものだという。
「トラッキング技術の進化により、外側のトラッキングリングをなくし、コントローラーがより自然な手の延長のように感じられるようになり、スペースも小さくなりました。また、Touch Proで初めて搭載されたTruTouchハプティクスにより、かつてないほどのアクションを体感できます。さらに、完全にセルフトラッキングされたMeta Quest Touch Proコントローラーにアップグレードすれば、よりプレミアムな体験ができます」と、同社はブログで述べている。
Quest 3は、2023年秋に登場予定だ。価格は、128GB版で74,800円からとのこと。Quest 3はQuest 2の全ゲームライブラリに対応する。
より詳細な情報は、9月27日(現地時間)に開催されるMetaの開発者会議「Connect」にて発表される予定だ。
併せてMetaは、Quest 2の価格を引き下げ、更に性能を引き上げる計画も明らかにしている。
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