中国で標高5,000mに建設中の水力発電所が完成に近付く

masapoco
投稿日
2023年3月18日 6:03
5000m yellow river dam

再生可能エネルギーの生産を強化するため、中国は黄河上流に、「この種の水力発電施設として最高標高施設」となるMaerdang水力発電所を建設している。運営会社の中国能源投資公司(通称China Energy)によると、2024年3月に機能を開始する予定とのことだ。

Maerdangプロジェクトは、コンクリートフェースのロックフィルダムが特徴で、2012年に最初の建設が開始された。China Dailyの報道によると、同施設は青海省の黄河沿いの標高5,000mに建設されているとのことで、富士山(標高3,776m)よりも高い位置にあるダムというとイメージしやすいだろう。発電所の総設備容量は約220万kWで、総設備容量で稼働させた場合、年間平均73億kWh以上の電力を生み出すことが出来るとのことだ。China Energyは、この水力発電プロジェクトにより、標準的な石炭換算で256万トンの消費と816万トンの二酸化炭素排出を削減できると述べている。

Maerdangプロジェクトは、水力発電、太陽光発電、エネルギー貯蔵を含む統合クリーンエネルギーアプローチを特徴としている。このプロジェクトは、中国が西部のクリーンエネルギー源を活用し、増大する国民的なエネルギー需要を供給する方法の一例となるものだ。

China Energyの一部門であるQinghai Maerdang Co Ltdの副社長であるLi Hongxin氏は、「過去数年間のCOVID-19の影響にもかかわらず、同社はプロジェクトを期限内に必ず稼働させることを誓う」とChina Dailyに語った。

また、寧夏回族自治区にあるChina Energyの太陽光発電所も完成間近で、総発電容量は300万kWになる。再生可能エネルギーの加速は、中国政府が再生可能エネルギー推進の一環として、乾燥地帯の太陽光発電や風力発電施設の開発を加速させる計画を示した後に行われた。

China Energyは、寧夏回族自治区にある100万kWの第1フェーズの工事がまもなく完了することを明らかにした。一方、200万kWの第2フェーズはまもなく建設が始まり、年末に完成する予定だ。

世界最大のエネルギー消費国の一つとして、再生可能な燃料源への移行は、中国と世界にとって極めて重要だ。「原子力発電所や水力発電所、風力発電所や太陽光発電所の建設を含むエネルギープロジェクトの全国的な再開は、二酸化炭素排出量の削減や気候変動との闘いに向けた世界の取り組みに貢献します」と、厦門大学中国エネルギー政策研究所のLin Boqiang所長はChina Dailyの取材に応じ、述べている。

Lin氏によれば、中国は他の国とは異なり、エネルギー需要の自給自足が主体である。アジアの大国である中国にとって、気候変動に関する目標を達成するために、より環境に優しいエネルギー源に移行することが課題となっている。


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