Googleは、OpenAIのChatGPTと、その技術を用いたMicrosoft Bingに対抗すべく、Google Bardとして知られる初のコンシューマーレベルのAIベースのチャットボットを公開した。この発表は、CEOのSundar Pichai氏が「緊急事態」を社内に宣言し、Google社内の激しい混乱が報道されたわずか数週間後に行われた。Googleとしては、この取り組み自体はChatGPTに対する危機感からではなく、遥か以前から準備していたと言いたかったようだが、明らかにこれは準備不足で性急な発表だったようだ。
さて、CNBCの報道によると、Googleの社員(愛称「Googler」)は、Bardのロールアウトのタイミングに満足していないという。Googlersが使用する内部掲示板は、Google、Pichai、Bardの展開、レイオフなどを批判するミームで埋め尽くされていると言われている。
「親愛なるSudar、Bardの立ち上げとレイオフは急いだ、失敗した、近視眼的だった。長期的な展望を持つことに戻ってください。」と、CEOのPichai氏の写真を含むとされるあるミームが書かれている。
しかし、これはレイオフに腹を立てている従業員だけの問題ではない。BardはGoogleにとって重要なステップであり、検索事業の未来を象徴するものではあるが、従業員はそれが間に合うとは思っていないようだ。今週初め、Googleの行ったBardのデモで披露された質問とその回答が、事実上不正確な情報を含んでいたことが明るみに出た。その直後、Googleの株価は8%以上急落し、回復はしていない。
GoogleがBardの発表を急いだのは、あらゆる方面の脅威が原因だ。ChatGPT自体はすでに1億人を超えるユーザーを抱えており、これまでで最も急成長しているサービスの1つとなっている。一方、Microsoftは検索エンジン「Bing」やブラウザ「Edge」にChatGPTを元にしたプログラムを組み込んでおり、さらにOfficeアプリ群にAIを搭載することを約束している。Googleは窮地に立たされており、Pichai氏は今すぐ何かを発信し、MicrosoftとOpenAIに向いた流れを食い止めようとしたのだ。
公平を期すため、Bardはまだ一般に公開されていない。これは、Microsoftが、ChatGPTを開発したOpenAIが一部開発したチャットボットAI技術を搭載した新しい検索エンジン「Bing」の一般公開を決定したのとは対照的だ。こちらはBardのような悪評は出ていないものの、完全に欠陥がないわけでもない。
Googleは、今後数週間のうちに一般に公開する前に、社内でBardのテストを行っているようだ。そのテストを経て、より優れたAIとして登場することを期待したい。
とはいえ、Googleは依然厳しい状況にある。そして、Googlerたちは、これらの問題に対して同社が下す決断に満足していないようだ。
この気持ちは、あるGooglerのミームとされるものに集約されている。それは、Googleの「G」ロゴが描かれたゴミ箱の火のような画像だという。テキストには、”How everything’s felt since last year.(昨年からすべてがどのように感じているか。)”と書かれていた。
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