Samsung GDDR7メモリはPAM3信号の採用により、36Gbpsの帯域幅を実現

masapoco
投稿日 2022年12月5日 18:17
Samsung Semiconductor Chip

Samsungは、同社の次世代メモリ技術「GDDR7」が、PAM3信号の導入により、GDDR6規格よりも最大25%電力効率が向上する事を報告している。

DRAMのメモリセルには1と0が格納されているが、デバイス間(DRAMチップとGPUなど)では、“信号”と呼ばれる電気波形で伝送される。信号波形のパターンによって、1と0が解釈される。

従来のGDDR6メモリは、NRZ(Non Return to Zero)信号やPAM2信号を用いて14Gbps~のデータレートを実現し、24Gbpsが量産型GDDR6メモリの最高速度になると考えられていた。現在では、18Gbps、20Gbps、22Gbpsといった高速なGDDR6が登場しているが、GeForce RTX 30シリーズ「Ampere」GPUの開発段階では、18Gbps、20Gbps、22Gbpsといった高速のGDDR6をすぐに生産することができなかったため、NVIDIAとMicronがPAM4信号を活用してGDDR6X規格を共同開発し、このJEDEC規格のGDDR6よりも数四半期先に18Gbps~23Gbps(またはそれ以上)の速度を提供することになったのだ。

従来のNRZ信号が1ビット/サイクルであるのに対し、PAM4は2ビット/サイクルの伝送速度である。PAM3では、さらに多くの “目”(波の交点にできる隙間で、ビットと解釈される)を持つ高度な波形を用いて、これを1サイクルあたり3ビットにまで高めている。Samsungは、PAM3はNRZ信号よりも25%効率が良く、GDDR7は25%エネルギー効率が良くなるとしている。PAM3信号は、80Gbps/方向のThunderbolt 4規格や、次期USB4でも採用されている。

Samsungは、GDDR7が最大36Gbpsの帯域幅をサポートする見込みであることを確認している。

GDDR7規格を利用するグラフィックスカードは、256ビットメモリバスで最大1152GB/s、384ビット幅のメモリコントローラに接続した場合は1728GB/sの帯域幅を提供する予定だ。GDDR7メモリ技術は、すぐにグラフィックカードに使用されることはなく、さらにSamsungは、標準採用のタイミングと計画をまだ明らかにしていない。



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • pixel 7 colors 1
    次の記事

    Google、Pixelフォン、Pixel Watch向けに新機能アップデートを公開 – クリア音声通話や無料VPNなど

    2022年12月6日 5:55
  • 前の記事

    エアバス社、2035年までに液体水素で旅客機を動かすための取り組みを発表

    2022年12月5日 18:01
    pm 38 601 601378 lpr1b0a1b9

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

おすすめ記事

  • UXL logo

    NVIDIAのAI市場支配からの脱却を目指しGoogle、Intel、Qualcommらが協力

  • sk hynix complex fab image

    SK hynix、「世界最大のメガファブコンプレックス」に総額13兆円を投資、2027年に最初のファブが稼働へ

  • nvidia gtc24 skhynix gddr7 2 1920px

    SK hynix、GTCにおいて最大40Gb/秒となるGDDR7メモリを展示

  • GDDR7 DRAM PR main1

    Samsung、NVIDIA GTCで32Gb/秒GDDR7メモリ・モジュールを披露

  • Samsung Semiconductor Chip Plant Pyeongtaek Campus South Korea

    Samsung、独自AIアクセラレータ「Mach-1」を2025年にも発売しNVIDIAに対抗へ

今読まれている記事