Samsungは、同社の次世代メモリ技術「GDDR7」が、PAM3信号の導入により、GDDR6規格よりも最大25%電力効率が向上する事を報告している。
DRAMのメモリセルには1と0が格納されているが、デバイス間(DRAMチップとGPUなど)では、“信号”と呼ばれる電気波形で伝送される。信号波形のパターンによって、1と0が解釈される。
従来のGDDR6メモリは、NRZ(Non Return to Zero)信号やPAM2信号を用いて14Gbps~のデータレートを実現し、24Gbpsが量産型GDDR6メモリの最高速度になると考えられていた。現在では、18Gbps、20Gbps、22Gbpsといった高速なGDDR6が登場しているが、GeForce RTX 30シリーズ「Ampere」GPUの開発段階では、18Gbps、20Gbps、22Gbpsといった高速のGDDR6をすぐに生産することができなかったため、NVIDIAとMicronがPAM4信号を活用してGDDR6X規格を共同開発し、このJEDEC規格のGDDR6よりも数四半期先に18Gbps~23Gbps(またはそれ以上)の速度を提供することになったのだ。
従来のNRZ信号が1ビット/サイクルであるのに対し、PAM4は2ビット/サイクルの伝送速度である。PAM3では、さらに多くの “目”(波の交点にできる隙間で、ビットと解釈される)を持つ高度な波形を用いて、これを1サイクルあたり3ビットにまで高めている。Samsungは、PAM3はNRZ信号よりも25%効率が良く、GDDR7は25%エネルギー効率が良くなるとしている。PAM3信号は、80Gbps/方向のThunderbolt 4規格や、次期USB4でも採用されている。
Samsungは、GDDR7が最大36Gbpsの帯域幅をサポートする見込みであることを確認している。
GDDR7規格を利用するグラフィックスカードは、256ビットメモリバスで最大1152GB/s、384ビット幅のメモリコントローラに接続した場合は1728GB/sの帯域幅を提供する予定だ。GDDR7メモリ技術は、すぐにグラフィックカードに使用されることはなく、さらにSamsungは、標準採用のタイミングと計画をまだ明らかにしていない。
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