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BOEが“600Hz”を実現する超高リフレッシュレートディスプレイを発表

BOE(Beijing Oriental Electronics Group)が、業界最速となる600Hzのリフレッシュレートを持つディスプレイパネルを発表した。

BOEは、「World Display Industry Conference 2022」において、次世代ディスプレイパネルを展示した。このパネルは、ハードウェアは非公開だが、NVIDIA GeForce RTX GPUを搭載した作業用ノートPCに搭載され、DOTA 2を起動している様子が確認された。

600Hzという、人間の目の限界を遙かに超えるこのパネルの必要性については議論の余地があるだろうはとりあえず置いておいて、このディスプレイは最高の性能を絶対に要求するハードコア・ゲーマー向けのノートパソコン用に設計されたものだ。

技術的に、BOE 600Hzのリフレッシュレートディスプレイパネルは、まさに驚嘆すべきものだ。ノートパソコン本体は16インチのフォームファクターで、アスペクト比は16:10と思われるものを採用しています。現在、ラップトップ・ディスプレイの最高リフレッシュ・レートは、DellのAlienware x17 R2ラップトップで、最大480Hzのリフレッシュ・レートをサポートしている。

これまでの高リフレッシュレートパネルと同様、BOEの600Hzディスプレイも1920×1080pのFHD解像度がターゲットのようだ。

では、プロゲーマーが600Hzのリフレッシュレートに対応したモニターを使用することで、どのような効果を得ることができるのだろうか。一般的な競技用240Hzモニターはフレームタイムが4.16msだが、よりプロ仕様となる360Hz液晶は2.7msと50%短縮される。リフレッシュレートが600Hzの場合、フレームタイムは1.66ms低下する。

様々な研究により、人間のほとんどは1秒間に30~60フレームを見ることができると結論付けられているが、目が何FPSを見ることができるのか、一般的に合意された確かな限界は存在しない。仮にプロスポーツ選手が1秒間に60フレーム見えるとすると、そのフレームタイムは16.66msだ。これでも十分だと思われる。だが、例えば、プロのバドミントン選手は、時速493kmの打球に反応することができるが、これは非常に驚異的なことだ。だが、多くのバドミントン選手は、シャトルコックを正確に目で追い、その行き着く先を想定するのではなく、相手のラケットや体の位置など、さまざまな要素から行き着く先を推測していると言われている。

プロゲーマーが他のアスリートよりも多くのフレーム/秒を見ることができるとは思えないが、極めて高いFPSとリフレッシュレートでは、FPSとリフレッシュレートが低い相手よりもゲームの世界をよく知覚することに繋がる可能性があるとのことだ。

eスポーツのプロや競技ゲーマーの話が中心なので、CrossFireやFortnite、PUBGのように、最高級のGPUやCPUでなくても数百フレーム/秒を叩き出せるゲームもある。したがって、こうしたゲームやプロゲーマーにとって、こうした極端なディスプレイパネルは理にかなっているのかもしれない。おそらく、600Hzのパネルによってフレームタイムが240HzのLCDの4.16msから1.66msに短縮されるからではなく、彼らにとって、より没入感のある競技体験を提供し、より良い結果につながる可能性があるからだろう。

CES 2023が近いので、600Hzのラップトップに関するより多くの情報は更に詳しく明らかになるはずだ。

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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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