ジョンズ・ホプキンス大学の天文学者が、科学者でない一般の人々でも見て楽しめるような、我々の地球から観測可能な宇宙の果てまで広がる20万個の銀河の位置と色を示したインタラクティブな宇宙地図を作成し、公開してくれている。
- Johns Hopkins University: THIS NEW INTERACTIVE MAP LETS YOU SCROLL THROUGH THE UNIVERSE
- New Atlas: Giant cosmic map charts from here to the edge of the observable universe
スローン・デジタル・スカイサーベイ(SDSS)は、専用の光学望遠鏡によって20年以上にわたってほぼ毎晩宇宙をスキャンし続け、全天の25%以上の範囲を観測し、その範囲内に含まれる銀河やクェーサーの位置と明るさ、距離を精密に測定することによって詳細な宇宙の地図を作りあげるというプロジェクトである。
今回、そこから得られたデータを元に、ジョンズ・ホプキンス大学の二人の天文学者、Brice Ménard(ブライス・メナード)氏とNikita Shtarkman(ニキータ・シュタークマン)氏は、新しく、信じられないようなスケールの地図を作り上げた。
まるで1枚のピザのスライスのような、扇形のこの地図は、下端の頂点を私たちの地球と定め、そこから見られる現在から137億光年先、つまり137億年前まで、宇宙と時間の外側に向かって広がる壮大なものだ。そして、この厚さ10度のくさびは、私たちを取り囲む円の一部分に過ぎず、それ自体、観測可能な宇宙を構成する巨大な球体のほんの一部に過ぎないのである。
この地図には、20万個の小さな点が描かれており、それぞれの点が何十億もの星や惑星などの天体を含む銀河全体を表している。点の色も単なる装飾ではなく、それぞれの銀河の特徴を示しており、このスケールでは青から赤への遷移の2つのパターンが明確に存在している。
色の差については、下から順に、地球から約20億光年以内にある渦巻き型銀河が、薄い青色の点で示されている。その先は黄色に変わり、この領域は楕円銀河が中心となっている。
40億光年から80億光年の範囲は、地図は赤色に変わっているが、これはまだ楕円銀河の多い領域ではあるが、宇宙の膨張によって光波が赤方偏移、つまりスペクトルの赤端に向かって引き伸ばされているためだ。その後、マップは再び青色になっている。これらの領域はクエーサーであり、中心に非常に活発な超大質量ブラック ホールがあり、青色の光を放っている。
マップのより広い部分に向かって、点は再び赤くなる。これは、赤方偏移したクエーサーが基本的にこの広大な距離でまだ見える唯一のものになるためだ。そして、その後ほぼ完全な暗闇が10億光年続いた後、観測可能な宇宙の果てに到達する。この斑点のような模様は、ビッグバン直後に放出された光、すなわち宇宙マイクロ波背景放射のイメージだ。この先にも宇宙はあるのだが、その光が届くまでに十分な時間がないため、私たちはそれを見ることができない。
この地図は、科学者でない人でも読み、理解し、鑑賞できるような宇宙の可視化を目指したものだ。
ジョンズ・ホプキンス大学のMénard教授は、「私は子供の頃、天文学の写真、星、星雲、銀河にとても刺激を受けて育ちましたが、今度は私たちが、人々に刺激を与える新しいタイプの写真を作る番です。世界中の天体物理学者が何年もかけてこのデータを分析し、何千もの科学論文や発見につなげてきました。しかし、誰も時間をかけて、美しく、科学的に正確で、科学者でない人々も利用できる地図を作りませんでした。私たちがここで目指しているのは、宇宙の本当の姿をみんなに見せることです。」と述べている。
地図はオンラインで公開されている。チームは以下のビデオでこの壮大な作業について説明している。
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