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ワームホールはすでに発見されている可能性があるとの研究結果が発表

時空の抜け道とも言えるワームホールは、計算上で予言されてはいるが、実際にそれが観測されたことはなく、またそれを観測する事も非常に難しい。それがもしあったとしても、我々からは恐らくブラックホールとしてしか見えず、存在を観測することが困難なのだ。

だが、ブルガリアにあるソフィア大学の物理学者グループが提案した新しいモデルは、ワームホールを検出できるとされており、既存のデータでは、ワームホールの存在の兆候が発見されているという。

ワームホールは、長い間、物理学者の想像力をかきたててきた。その魅力の一端は、タイムトラベルの概念と同様に、ワームホールがアインシュタインの一般相対性理論と整合していることにある。しかし、理論的な妥当性にもかかわらず、現実の世界ではまだこれらの概念に関連するものが見つかっていない。

ワームホールは、星が燃料を使い果たし、自壊してできた空間領域で、主に近くの物体に強い重力を与えることによって発見される。

ブラックホールと似ていることに加え、ワームホールが実際に存在するかどうかはまだ分かっていないため、ワームホールを確実に検出することはさらに困難になっている。

しかし、ブルガリアのソフィア大学の研究チームは、ブラックホールとワームホールを区別する新しい方法を開発し、その成果を発表した。

研究チームは、降着円盤から生じる直線偏光を研究した。降着円盤とは、ブラックホールやその他の天体の周囲に見られる、ガス、プラズマ、星の塵からなる回転する物質の集合体のことだ。

同チームは、降着円盤の偏光特性に特定のサインを見つけ、ブラックホールとワームホールの候補の違いを判断するのに役立てたいと考えているという。

論文によると、この研究は、ワームホールが潜んでいる可能性のある宇宙空間をさまざまな傾斜角度で撮影した画像と、強い重力レンズを用いた間接画像、そして最後に「ワームホールの喉を通って漸近観測者に到達する」偏光放射を表示した画像の分析に依存しているとのことだ。

これらの画像は、シュヴァルツシルト・ブラックホールと呼ばれる最も単純な種類のブラックホールと比較された。このブラックホールは、アインシュタインが一般相対性理論を発表した直後の1915年にカール・シュヴァルツシルトによって初めて概念化され、質量はあるが電荷やスピンを持たないとされている。研究チームは、これらの比較に基づいて、仮想的なワームホールの喉の部分を新たに単純化したモデルを作成し、それを取り囲む物質が、ブラックホールに吸い込まれる物質とは異なる振る舞いをする可能性について予測することができた。

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ワームホールの可視化イメージ図 (Credit: Alain R. CC BY-SA 3.0).

研究者のモデルによると、ワームホールを取り囲むあらゆる粒子によって放射される光は、それらが作り出す強い磁場によって偏光することになる。さらに驚くべき事に、まさにこの種の偏光発光は近年すでに検出されており、2019年に撮影されたM87の最初の画像にその兆候が見られるという。また、同様の検出により、2022年初めに撮影された「いて座A*」の画像も可能性があるとのことだ。

研究チームのモデルに基づけば、M87自体がワームホールである可能性もあり、他の多くのブラックホールと関連してワームホールが隠されている可能性も残されている。問題は、どのようにしてワームホールを検出するかということだ。

一つは、重力レンズを使って間接的にワームホールを観測することで、ブルガリアチームのモデリングが示唆する、ワームホールとブラックホールを区別する特性のいくつかを明らかにできるかもしれない。また、ワームホールと思われる構造物の偏光強度は、「シュヴァルツシルト・ブラックホールと比較して1桁も大きくなることがある」と論文に書かれている。

また、ワームホールの入り口を通過して地球方向に進む光が観測されるような角度の候補が検出された場合、その結果得られるサインからもワームホールを検出できるかもしれない。具体的には、「ワームホールの喉を横切る領域からの放射は、リング画像の追加構造の形成につながる」と研究者は説明し、その「異なる偏光特性」のために区別することができるとしている。

研究チームは、ワームホールが作り出す偏光のみに基づいてワームホールを区別するのは難しいと認めているが、強い重力レンズとワームホールの入り口を横切る放射線の偏光を特徴とする画像は、「地平線のない天体のプローブとして機能する特徴的なサイン」を提供することで役立っているのだ。

言い換えれば、彼らの新しいモデルに基づいて研究チームが説明するシグネチャーのユニークな組み合わせは、どのブラックホールがよりワームホールに近い振る舞いをするかを検出するのに大いに役立つ可能性がある。つまり、ずっと予言されてきた時空の構造は、ずっとありふれた場所に隠れていた可能性が非常に高いのだ。

研究の要旨

我々は、静的トラバース可能な一群のワームホールの周りの降着円盤からの直線偏光を研究している。赤道面を回る磁化された流体リングという単純化されたモデルを適用し、偏光特性によってワームホールとブラックホール宇宙を区別できるような特徴的なシグネチャを探索する。この目的のために、異なる傾斜角の直接偏光像、強いレンズ間接像、ワームホールの喉を通って漸近観測者に到達する偏光放射を解析し、シュワルツシルトブラックホールと比較した。傾斜角が小さい場合、2種類のコンパクト天体は、直接像の偏光パターンが非常によく似ていることがわかる。さらに、強いレンズのかかった間接像では、ワームホール空間での偏光強度がシュワルツシルトブラックホールと比較して1桁も大きくなり、より大きな違いが観測された。ワームホールを横切る領域からの放射を検出すると、異なる偏光特性を持つリング像の構造が追加で形成される。リングの周りの偏光ベクトルのねじれが少ないため、偏光パターンが変化し、偏光強度が我々の宇宙からの放射に比べて1桁増加することがある。このように、ワームホール空間は直接の偏光画像では区別がつきにくいのだが、強いレンズ像とワームホールからの放射の偏光は、地平線のない天体のプローブとなる特徴的なサインを提供する。

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この記事を書いた人

TEXAL管理人。学校の授業でMS-DOSを使っていたくらいの年代。Windows95の登場で衝撃を受け、テクノロジー業界に興味を持つ。以来ガジェット・ゲーム情報を追い続けてうん十年。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題も大好き。

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