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スタートアップが世界初の人工重力宇宙ステーション建設を発表

カリフォルニアに拠点を置くスタートアップ企業であるVast社は、宇宙空間における人間の生産性を高めるために、世界初の人工重力を実現した宇宙ステーションを開発することを明らかにした。同社は、優れたエンジニア、業界の専門家、航空宇宙エンジニア、SpaceX社の元副社長であるHans Koenigsmann氏からなるチームとともに、人々が宇宙で生活するだけでなく、仕事もできるような環境を作り出すことを目指している。

「Vastのミッションは、何百万人もの人々が太陽系を越えて生活する未来を実現することです。太陽系には膨大な資源があります。その資源を利用することができれば、地球を守りながら文明を発展させることができるのです。大勢の人間が宇宙で生活できるようになれば、それらの資源にアクセスするために必要な産業やインフラを大規模に作ることができるのです。」と、Stellar、Astera Institute、Ripple、eDonkey2000などのプロジェクトに携わった、Jed McCaleb氏はプレスリリースの中で述べている。

「私は常に、非効率を減らし、人間の状態を改善するために技術を活用することを信じてきました。宇宙での人類の居住を拡大するためには、持続可能性を完璧に実現する技術を創造しなければなりません」

同社の宇宙ステーションは、40人以上が滞在でき、長さは100メートルになる予定だ。

無重力状態は弊害が多い

無重力に長時間さらされることで、筋肉の萎縮、骨の減少、さらには脳の損傷などの副作用が報告されている。McCaleb氏は、人工重力によって長期間のミッションに適した健康的な環境を提供することを目標に、大きな回転構造物によって発生する遠心力によって、重力に似た引力を発生させる宇宙ステーションを考案した。これは新しい物ではなく、古くから宇宙ステーションで人工的に重力(より正確には遠心力だが)を発生させる方法として、SFなどでも描かれており、読者も本などで下の様なイラストを見たことがあるかも知れない。

Vastの目標は野心的だ。同社は、この新しいエコシステムによって、太陽系内での人類の活動領域のさらなる拡張が可能になると示唆している。

企業が宇宙で人工重力を発生させる構造物を構築しようとしたのは、今回が初めてではない。2021年に、The Orbital Assembly Corporationが人工重力を備えた軌道上の宇宙ホテル「Voyage Station」を建設する計画も報告されている。

「私たちは今でも新しいフロンティアを渇望しており、多くの人が宇宙が解放される時を待ち望みながら人生を送っています。フロンティアを押し広げ、広大な宇宙空間へと居住地を広げることで、何千年、何世代にもわたって地球を守ることができるかもしれないのです」と、McCaleb氏は述べている。


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masapoco

TEXAL管理人。中学生の時にWindows95を使っていたくらいの年齢。大学では物理を専攻していたこともあり、物理・宇宙関係の話題が得意だが、テクノロジー関係の話題も大好き。最近は半導体関連に特に興味あり。アニメ・ゲーム・文学も好き。最近の推しは、アニメ『サマータイムレンダ』

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