Korb + Associates ArchitectsによるAscentは、CTBUH(Council on Tall Buildings and Urban Habitat)により、世界で最も高い木造タワーとして公式に認定された。ウィスコンシン州ミルウォーキーに位置するこの高層住宅は、木造建築として、最高86.6mという驚くべき高さを誇っている。
25階建ての高層ビル「Ascent」は、構造エンジニアのThornton Tomasettiと共同で設計された。低層階には店舗やアメニティスペースがあり、高層階には259戸の居住区(一部は賃貸)が設定されている。アパートメントの内装は、ところどころ木をむき出しにし、素材の自然な美しさを生かしながら、ミルウォーキーの景色を縁取る大きなガラスが取り入れられている。
建物は、5層のコンクリート駐車場とコンクリート充填鋼管杭の上に位置し、エレベーターシャフトと階段室を含む2つのコンクリートコアからなる。タワー本体の構造は、主に集成材(グルーラム)の梁と柱で構成され、Cross Laminate Timber(CLT)の床を支えている。一方、外装はほとんどがガラスだ。
「このビルは、質量木材の2つのカテゴリーで世界一の高さを獲得しました。」とCTBUHは説明する。2つのカテゴリーというのは、木造建築に加えて、コンクリート・木造ハイブリッド建築のカテゴリーにおいてということだ。2019年にCTBUHが認定したノルウェー・ブルムンドダルのMjøstårnetは、85.4メートルでこれまで世界一高い木造建築物だった。Ascentは現在、木造建築物全体として最も高いだけでなく、コンクリートと木造のハイブリッド建築物としても最も高い建築物となる。ちなみに、これまでのコンクリート・木造ハイブリッドビルの高さは、2020年にオーストリアのウィーンで完成した84mのHoHoビルだ。
CTBUHによると、このプロジェクトは建設に2年を要し、木材の使用により、従来の同規模のコンクリート建築と比較して建設期間が約25%短縮されたとのことだ。また、木造建築というと火災が心配されるが、木造の構造材は地域の消防法の要件を満たしているか、それ以上であることが試験で証明されているとのことだ。
コメントを残す