LK-99は鉛、銅、リン、酸素からなる灰黒色の化合物で、韓国の研究者らによって発見されたこの物質は、世界初の“常温常圧超伝導体”との触れ込みと共に世界中で知られる事となった。LK-99をめぐる世論は、主張と反論の波が激しく、現在かなり不安定である。
高麗大学の研究グループは、最近、2つの重要なプレプリント研究(こちらとこちら)の中で、リン酸鉛(LK-99)の絶縁構造内で銅カチオンが鉛カチオンの代わりになると、応力による構造収縮が起こり、構造内に「超伝導量子井戸(SQW)」が形成されると主張している。さらに重要なことに、LK-99のユニークな構造は、このような構造の歪みを永続させ、室温での超伝導特性を生み出す。
それ以来、ソーシャルメディアは文字通り火を噴き、LK-99の複数の複製が韓国市場に上場している銘柄の熱狂を煽り続けている。
前回の記事で、LK-99が常温超電導体であると確認出来た第三者機関がないと報告した。韓国超伝導学会も同学会の検証委員会は、LK-99が磁石の上に浮いている(これは超伝導の特徴である)公式ビデオの中で、試料の一部が磁石自体に付着しており、”磁束固定効果”を排除しており、今のところLK-99は常温常圧超伝導体ではないとしている。
ところが先週、中国の研究者がLK-99の完全に浮遊したサンプルを映したビデオを投稿した。ビデオを投稿した”Alchemist Xiang”というペンネームの研究者は、今のところLK-99のサンプルには反磁性しか見つかっておらず、彼のチームは測定で困難に遭遇していると述べている。また、株式市場の過度な投機に対して警告を発している。
しかし、韓国の投資家たちは、これに耳を傾ける気分ではないようだ。
本稿執筆時点で、高温配線と電磁石のメーカーであるSuNam (KOSDAQ: 294630)は、韓国証券取引所で14%以上上昇している。核融合と粒子加速器技術を手がけるMobiis (KOSDAQ: 250060)は現在19%以上上昇している。意外なところでは、超電導技術とは直接関係がないが、量子研究所に投資しているVCの株式を保有しているDelta Tech (KOSDAQ: 065350)が、現在1日の上昇限界である30%に近づいている。
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