メモリチップメーカーとしては世界最大のSamsungは、世界初となる24Gbps GDDR6 DRAMチップを発表した。この半導体メモリチップは、Samsungの第3世代10nmのEUV製造プロセスで製造されている。同社は、すでに16GbのGDDR6 DRAMチップのサンプリングを開始しているとのことだ。
この新しいGDDR6 DRAMは、ゲーミングPC、ゲーミングノートPC、ゲーム機などに搭載される高性能GPUに向けて提供される。この新しいチップは、高度な絶縁材料HKMG(High-K Metal Gate)材料を使用して、電流リークを最小限に抑えている。Samsungは、24Gbps GDDR6 DRAMチップを18Gbpsチップより30%高速化したとのことだ。これにより、ハイエンドGPUに搭載した場合、最大で1.1TB/秒(約275本のフルHDムービー相当)のデータ転送速度を実現する。なお、このチップはJEDECに完全準拠しているため、複数の製品で使用することができる。
また、電力効率を20%向上させた16Gbps版と20Gbps版のチップも提供する予定とのことだ。同社は、この新チップを顧客企業が検証しており、次世代GPUの発売と同時に発売するとしている。Nvidiaは今年後半にRTX 4000シリーズGPUを発売する予定だ。
Samsung Electoronicsのエグゼクティブ・バイスプレジデントであるDaniel Lee氏は、「現在、AIやメタバースによって爆発的に増加しているデータは、膨大なデータセットを同時に超高速で処理できるグラフィックス機能の必要性を高めています。業界初の24Gbps GDDR6のサンプリングを開始したことで、次世代GPUプラットフォームでのグラフィックスDRAMの検証を行い、新たな需要の殺到に間に合うように市場に投入していきたいと考えています。」と述べている。
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