Samsung(サムスン)が、データ転送速度が最大8.5Gbpsとなる業界最速のLPDDR5X DRAMを発表した。14nm EUVプロセスで製造された同社の新しいメモリチップは、すでにQualcomm(クアルコム)のSnapdragon Mobileプラットフォームで使用することが検証されているという。この新しいDRAMチップは、将来のハイエンドスマートフォンや超薄型ノートパソコンに搭載されることが期待される。
Samsungは、今年の初めに最大7.4Gbpsのデータ転送速度を達成したが、わずか数カ月でこのマイルストーンを超えてみせた。Qualcommなどとのより深い協力関係のおかげで、SamsungはLPDDR5X DRAMのリリースを1年以上早めることができたのだ。これらのチップは、来年のハイエンドスマートフォンおよびタブレットの内部で Snapdragon 8 Gen 2 プロセッサと一緒に使用される可能性がある。特に、Samsungの次期フラグシップモデルである、Galaxy S23シリーズでの使用が期待されるところだ。
Samsungは、最新のLPDDR5X RAMが最高で8.5Gbpsのデータ処理速度を実現し、従来のLPDDR5の帯域幅6.4Gbpsの1.3倍の速度になると主張している。また、新しい 14nm プロセスにより、最新のメモリは電力効率が向上し、LPDDR5 規格と比較して消費電力が 20%削減されるとのことだ。この 16Gb LPDDR5X RAM チップは、最大 64GB のメモリに構成することができるため、ラップトップ、高性能コンピューティングデバイス、サーバ、および自動車でもこの技術を活用することができる。
自律走行車の増加により、センサーから大量のデータを取得し処理するようになったため、Samsungは、自動車セクタ ーで LPDDR5X DRAM チップが力強い成長を遂げると見ている。また、ハイパフォーマンスコンピューティングの分野では、LPDDR DRAM はブランドによる消費電力の削減を支援し、結果的に所有コストを大幅に削減することにつながるだろう。
また、将来のApple製品において、MacBook Proモデルで、新たにLPDDR5X RAMを採用することも予想される。2022年モデルのMacBook Proに同じメモリが搭載されるかどうかは、まだ不明だが、年末からの発売で採用されることを期待したい。
Samsung Electoronicsのメモリ製品企画チームのエグゼクティブVPであるダニエル・リー氏は、「LPDDRメモリはスマートフォンだけでなく、AIやデータセンター・アプリケーションにも用途を広げ続けており、メモリとSoCベンダー間の強い連携がより一層重要になってきています。Samsungは、Qualcommのようなイノベーターと積極的に関わり、将来のLPDDR規格に対するエコシステムの準備態勢を強化していきます。」と述べている。
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