今年はChatGPTの出現によって、人々の仕事がAIに置き換えられる懸念が噴出した。実際に一部の事務作業やクリエイティブな仕事は徐々に置き換わってきており、今後AIの進化に伴いこれは避けられない流れとなるだろう。
だが機械が人間に取って代わる懸念はこれ以前からもあった。ますます進化した人間そっくりのロボットが人間の労働力を置き換えるのではないかと。ロボットによる自動化は工場や物流の世界で以前から行われており、最近の進歩も著しい。だが、これらの機械のいくつかを開発した企業は、こうした機械は人の代わりではなく、人を助けるために設計されていると主張しているようだ。
Amazonは10月、新たに2種類のロボットを試験的に倉庫に導入すると発表した。ひとつは「Sequoia」で、在庫を識別して保管し、注文処理時間を短縮するように設計されたRoombaのような機械。もうひとつは、Agility Robotics社のロボット「Digit」だ。
2本足のDigitは、前進、後進、横歩き、しゃがむ、曲げることができ、腕や手のような留め具を使って物品を移動、把持、取り扱うことができる。休息やトイレ休憩、賃金などを必要とする人間の代用品になり得そうな外観だ。
Digitは、トートのリサイクルやバルク材のハンドリングなどの反復作業を行う。Agility RoboticsのCEO、Damion Shelton氏はBusiness Insiderに対し、この種の仕事に従事する労働者は十分ではないと語った。「つまり、雇用の代替に関する懸念よりもはるかに悲惨なのは、こうしたビジネスの健全性が危機に瀕しているという事実なのです」とShelton氏は付け加えた。
Shelton氏は、Agility Roboticsのマシンは人間と一緒に働くように設計されており、人間に取って代わるものではないと付け加えた。生成AIが仕事に取って代わるのではなく、「補強する」ものであるという同様の主張を報道で耳にしたことがあるが、このテクノロジーは依然として多くの人々を失業させており、2030年までに200万人以上のアメリカ人の仕事が取って代わられると予想されている。
「私たちのロボットは、人を補完し、労働者がより生産的になるように、危険で反復的な作業を引き受けることで、人がより興味深く創造的な側面に集中できるようにすることを意図しています」とShelton氏は語った。
人間の仕事を犠牲にしない限り、通常人間が行うような危険な作業や反復作業を行えるものは歓迎されるべきだろう。
ロボットは、通常3D(Dirty:汚い、Dull:退屈、Dangerous:危険)な作業を置き換えるものだと、人型ロボット「Apollo」を8月に発売したApptronik社のCEO Jeff Cardenas氏は語っている。
Cardenas氏はApolloの開発は、大規模な労働力不足へ対応を目的としている主張している。同氏は、ロボットによって人間の労働者が危険な作業から解放され、人々がより良い方法で時間を過ごせるようなる、かつて物語の中で夢見られた世界を目指しているかのようだ。
「ロボットは、私たちがやりたくないこと、私たちを傷つけ、人々をこれらの産業から追い出すようなことをやってくれる。そして、人々が新しいスキルを身につけ、新しい方法で仕事をすることができるようになります。それはサプライチェーンから始まり、今日私たちが技術を持っているこれらの活動から始まります。そこから先は無限です」。
Source
- Business Insider: Relax, humanoid robots aren’t coming for your job just yet
コメントを残す