MagSafe対応のiPhoneを使っているならば、是非持っておきたいのが「MagSafe対応モバイルバッテリー」
ケーブル不要で、iPhoneに“ピタッとくっつけるだけ”ですぐに充電できるMagSafe対応モバイルバッテリーの便利さは、一度体感してしまうと、もう今までの有線充電のモバイルバッテリーには戻れないレベルだろう。
実際私もこれまでにAnkerから出ているMagSafe対応のマグネット吸着型モバイルバッテリー「PowerCore Magnetic 5000」を使っていて満足していたが、その一方で不満もあった。その不満とは、「5Wなので、充電が遅い」という物だった。
今回ワイヤレス充電出力が7.5Wにアップした、「Anker 622 Magnetic Battery(MagGo)」が新しくAnkerから登場したと言うことで、早速購入して使用してみた。
レビューは下記よりどうぞ。
Anker 622 Magnetic Battery (MagGo) の特徴
- ケーブル不要で、“磁石でピタッとiPhoneに固定”してワイヤレス充電が出来る
- ワイヤレス充電は7.5W出力で充電速度アップ
- スマホスタンドとしても使える折りたたみ式スタンド付き
スペック詳細と前機種との比較
スペック詳細
まず公式発表されているスペックを紹介しよう。
製品名 | Anker 622 Magnetic Battery (MagGo) |
---|---|
サイズ | 約 105 x 67 x 13 mm |
重量 | 約140g |
USB-C入力 | 5V = 2.4A(最大 12W) |
USB-C出力 | 5V = 2.4A(最大 12W) |
ワイヤレス出力 | 最大7.5W |
バッテリー容量 | 5,000mAh |
定格容量 | 3,300mAh |
パッケージ内容 | Anker 622 Magnetic Battery (MagGo) 、USB-C & USB-C ケーブル (0.6m) 、取扱説明書、24ヶ月保証 + 6ヶ月 (Anker会員登録後)、カスタマーサポート |
製品型番 | A1611N11 (ブラック) / A1611021 (ホワイト) / A1611031 (ブルー) / A1611061 (グリーン) / A16110V1 (パープル) |
入出力用にUCB-Cのポートが1つだけなのは、やはりMagSafeでの使用を前提にした製品だからだろうか。
前機種との比較
今回の製品に先立ってAnkerから発売されている、「PowerCore Magnetic 5000」との比較は以下の通りとなる。
項目 | 622 Magnetic Battery (MagGo) | PowerCore Magnetic 5000 |
---|---|---|
バッテリー容量 | 5,000mAh ( 3.7V ) | 5,000mAh ( 3.7V ) |
サイズ | 約 105 x 67 x 13 mm | 約 93 x 63 x 16 mm |
重量 | 約 140g | 約 133 g |
出力ポート数 | 2(マグネット式ワイヤレス / USB-C) | 2(マグネット式ワイヤレス / USB-C) |
入力ポート数 | 1(USB-C) | 1(USB-C) |
USB-C出力 | 5V = 2.4A (最大 12W) | 5V = 2.0A (最大 10W) |
入力 | USB-C入力:5V = 2.4A (最大 12W) | 5V = 2.2A (最大 11W ) |
ワイヤレス出力 | 最大 7.5W | 最大 5W |
合計出力 | 同時充電不可 | 同時充電不可 |
パススルー充電 | ○ | × |
Apple Watch充電 | × | × |
スタンド機能 | ○ | × |
価格 | 5,990円 | 3,990円 |
PowerCore Magnetic 5000との最大の違いはワイヤレス出力が7.5Wへとアップしているところだろうか。
その他、USB-C出力が最大12Wと少し上がっており、また「折りたたみ式のスタンド」が付いていることもアップデートと言える。
ちなみに、前機種とのサイズ比較だが、幅や長さなどのサイズは一回り大きくなっている。
しかし、厚みは逆に20%程薄くなっており、装着した時のフィット感は逆に良くなっている印象を受けた。
外観・付属品等について
内容物
内容物一覧。製品本体、USB-Cケーブル、製品サポートについての説明書、マニュアルが入っている。
同梱ケーブルは、USB-C to Cの一般的なケーブルだ。
製品外観
角丸でシンプルな外観となっている。今回私が購入したのはブラックだが、白やミント・パープル・ブルーのカラーバリエーションがある。
雷アイコンの面が表になり、このマークの部分でワイヤレス充電が行われる。マグネット吸着もこちらの面で行う。
裏面は折りたたみ式のスタンドが付いている。スタンドはファブリック素材。イメージとしては、タブレットケースの画面カバーみたいな材質と作りで、折り目が付いており、適切な位置で固定できるようになっている。
側面には特に何もない。薄型の作りで、厚みは、イメージとしては鉛筆と同じか少しそれよりも細いくらいだ。
底面部はこちら。電源ボタンをとUSB-C入出力ポートが1つ、そしてインジケータが配置されている。ちなみに、インジケーターの表示は、一番左のインジケーターでワイヤレス充電状態、その右にある4つの白インジケーターでバッテリー残量が分かるようになっている。電源ボタンを押すことで確認できる。
インジケータのワイヤレス充電表示
- 白点滅 → ワイヤレス充電機能オン
- 白点灯 → ワイヤレス充電中
- 消灯 → ワイヤレス充電機能オフ
重量は約145g。単1の乾電池(140g)より少し重たいくらいといった感じだろうか。
裏面丈夫には指を引っかける部分があり、ここに指を引っかけて・・・・・・
折りたたみ式のスタンドをめくり・・・・・・
スライドさせ・・・・・・
磁石で固定する要領で使用する。ただし、磁石での固定のため、あまり固定力は強くない点に注意が必要だ。
折りたたみ式のスタンドを開くと若干傾斜がつき、iPhoneと本体を置いたまま使う事に適した状態だ。
iPhone 13 Pro Maxを取り付けた状態。角度は45度くらいとなる。
iPhone 13 Pro Maxに取り付けるとこのようになる。
「PowerCore Magnetic 5000」より少し薄くなったためか、使用感はこちらの方が上に感じられる。
競合機種との比較
私が実際に所持している、競合となるであろう、同じ7.5Wワイヤレス充電対応のMagSafe充電器2機種との比較を掲載した。
項目 | Anker 622 Magnetic Battery (MagGo) | CIO-MB20W-5000-MAS | HyperJuice Magsafe バッテリーパック |
---|---|---|---|
バッテリー容量 | 5,000mAh ( 3.7V ) | 5,000mAh ( 3.7V ) | 5,000mAh ( 3.7V ) |
サイズ | 約 105 x 67 x 13 mm | 約 94 x 63 x 16.5 mm | 約 97×63×16mm |
重量 | 約 140g | 約 150 g | 約 150 g |
USB-C入力 | 5V = 2.4A (最大 12W) | 5V = 3A 9V = 2A 12V = 1.5A (最大 18W ) | 5V = 2.4A (最大 12W) |
USB-C出力 | 5V = 2.4A (最大 12W) | 5V = 2.4A 9V = 2.2A 12V = 1.6A (最大 20W) | 5V = 2.4A (最大 12W) |
ワイヤレス出力 | 最大 7.5W | 最大 7.5W | 最大 7.5W |
その他特徴 | ・折りたたみ式のスタンド付き | ・折りたたみ式のスタンド付き ・Apple Watch充電可能 | – |
価格 | 5,990円 | 4,990円 | 4,950円 |
公式サイト | https://www.ankerjapan.com/products/a1611 | https://www.makuake.com/project/magnet_battery/ | https://www.hyperjapan.jp/hp43029/ |
HyperJuiceに関しては、2022年2月現在公式サイトのみの取り扱い、CIOに関してはAmazon、楽天での取り扱いもあるが、一部欠品も見られる。
どれもワイヤレス充電は7.5Wと言うことで差はない。有線での入出力に若干の差があるが、あまり有線での利用もないかと思うので、そこら辺は誤差の範囲かと思われる。
なお、CIO製品に関してはApple Watchへの充電にも対応しているのが他社にはない特徴だ。
「Anker 622 Magnetic Battery」に関しては、他社製品に比べて薄型になっていること、信頼のAnker製品である事が大きいだろう。
加えて、詳細については後述するが、充電時の発熱が比較的他社製品に比べて抑えられているのもポイントだ。
性能評価
本製品のバッテリー容量は、公式サイトに掲載されている容量は「5,000mAh」だが、実際にスマートフォンに充電出来る容量は電圧変換や送電のロス等の影響もあり、有線の場合公称値の6割~7割程度あればいい方だ。実際に充電できる容量は、本体に記載があった、定格容量の方が参考となり、こちらは「3,300mAh」となる。
また、ワイヤレス充電では送電時のロスなどが更に大きくなるため、実際に充電できる容量は更に少なくなる。そこで、ワイヤレス充電・有線充電で本製品が実際にどの程度充電が可能なのかテストを行った。
ワイヤレス充電でのテスト
ワイヤレス充電でのテスト条件
- 室温は20度
- バッテリーへの充電終了直後に開始
- 放熱のためにアルミニウムの冷却板の上にて実施
- 充電対象端末はiPhone 13 Pro Max
経過時間 | iPhoneバッテリー残量 |
---|---|
10分 | 7% |
20分 | 13% |
30分 | 19% |
60分 | 39% |
90分 | 57% |
106分 | 63%にて終了 |
実験では、iPhone 13 Pro Maxを63%充電した所で「622 Magnetic Battery」のバッテリー残量がなくなった。
iPhone 13 Pro Maxのバッテリー容量が4,352mAhなので、その63%と言うことで2,741mAh充電出来た事になる。(正確にはiPhone自体のバッテリー劣化等もあるため、実際にこの数値ではないと思われるが参考までに)
「622 Magnetic Battery」自体のバッテリー容量が5000mAhとのことで、ワイヤレス充電での効率は55%程度と考えられる。
有線充電でのテスト
有線充電でのテスト条件
- 室温は20度
- バッテリーへの充電終了直後に開始
- 放熱のためにアルミニウムの冷却板の上にて実施
- 充電対象端末はiPhone 13 Pro Max
- 充電ケーブルはAnker製1.5mケーブル
経過時間 | iPhoneバッテリー残量 |
---|---|
10分 | 11% |
20分 | 21% |
30分 | 29% |
60分 | 52% |
90分 | 68% |
106分 | 74%にて終了 |
有線での実験では、iPhone 13 Pro Maxを74%充電した所で「622 Magnetic Battery」のバッテリー残量がなくなった。
有線での充電効率は、計算すると64%程度と考えられる。計算すると、3200mAh程度と言うことになり、定格容量が3,300mAhとのことなので、ほぼスペック通りだろう。
やはりワイヤレス充電の方は、充電速度のみならず、充電出来る容量についても有線よりも低下が見られる事がお分かり頂けるかと思う。
Anker 622 Magnetic Battery (MagGo)レビュー
良かった点
良かった点まとめ
- ワイヤレス充電が7.5Wにアップ
- 前機種から薄型になったおかげで装着感アップ
- ワイヤレス充電の変換効率がいい
- 発熱がそこまで酷くない
ワイヤレス充電が7.5Wにアップ
前機種「PowerCore Magnetic 5000」はワイヤレス充電が5W対応でしたので、充電速度はとてもゆっくりだった。
実際にPower Core Magnetic 5000との充電速度を比較したのが下の表だ。
iPhone 13 Pro Maxにて測定した。
622 Magnetic Battery(7.5W) | PowerCore Magnetic 5000(5W) | |
---|---|---|
10分 | 7% | 4% |
20分 | 13% | 7% |
30分 | 19% | 11% |
60分 | 39% | 22% |
90分 | 57% | 32% |
100分 | 61% | 36% |
110分 | 63%(106分で終了) | 39% |
本製品が60分で充電出来ている容量に達するには、5W充電のPowerCore Magnetic 5000ではさらに50分もかかるのがお分かり頂けるかと思う(実際の効率は1.5倍以上か)
前機種から薄型になったおかげで装着感アップ
本製品は、PowerCore Magnetic 5000より20%、厚さにして3mm薄くなっている。
たかが3mm、されど3mm。この3mmの違いが使い心地の向上にかなり大きな影響を与えてくれている。
実際に両方使ってiPhoneの握り心地を試してみましたが、薄くなった本製品の方が明らかに握り心地が向上していた。
サイズ感や使い心地に関しては全く期待していなかったので、これは嬉しい誤算だ。
ワイヤレス充電の変換効率がいい
競合他社製品と比較した結果になるが、ワイヤレス充電での変換効率55%はかなり良好な結果と言える。
他社製品に関しては、酷いときは変換効率40%程度にしかならないものもあった。
それに比べれば本製品はかなり優秀な製品だと言えるだろう。
発熱がそこまでひどくない
ワイヤレス充電の変換効率が良好な結果と思われるが、ワイヤレス充電しながらの利用でも我慢できないほど熱くはならず、日常的に利用しようと思えるレベルだった。実際に「Bosch 放射温度計 GIS500」にて表面温度を測定したところ、ワイヤレス充電時の一番熱いときで、36.7度の表面温度だった。
ちなみに他社製品では、充電中は熱くなりすぎて持っていられないレベルの物もあり、冬場などはカイロ代わりになるほどだったので、比較すると本製品はその点も優れていると感じた。
残念だった点
残念だった点まとめ
- 競合機種に比べて少し価格が高い
- スタンドの支持力が少し弱い
- スタンドを使ったままバッテリーの充電は出来ない
競合機種に比べて少し価格が高い
競合2機種が5,000円を切る価格であること、スペック的にあまり差がないことから、2割程度価格が高い事は少し残念ではある。
実際CIO製品に比べると質感の面で少し見劣りする面があるなとも感じたので、その点一番高価なのが少し残念だ。
スタンドの支持力が少し弱い
スタンドはファブリック素材のベロ部分をバッテリー背面にマグネットで固定するタイプの作りだが、マグネットの固定力が弱いので、たまにズレてスタンド自体が折りたたまれたりしてしまうことがある。
同じようにスタンドが付属のCIO製品に関しては、固定力で不満を覚えたことがなかったので、この点も本製品は少し残念なポイントだった。
スタンドを使ったままバッテリーの充電が出来ない
USB-Cポートが本体下部にあるという構造上仕方ないのだが、スタンドを使用したままポートにケーブルを挿すことが出来ないので、せっかくパススルー充電に対応しているのに、据え置き型の無線充電スタンドのようには使う事が出来ない。
パススルー充電とは
- コンセントからモバイルバッテリーに入力した電力をスマートフォンなどのデバイスへ優先的に給電する機能です。この製品の場合は、据え置き型のワイヤレス充電器のようにも使えると言うことですね。
Anker 622 Magnetic Battery (MagGo)はこんな人にオススメ!
iPhone 12シリーズ以降をお使いで、MagSafe対応モバイルバッテリーを使ったことがない方に是非オススメしたいのが本製品だ。
ケーブルを使わないで使えるモバイルバッテリーがこんなにも便利であるというのは、実際に使ってみないと中々実感出来ない物だと思う。
一度使えば本当に世界が変わる!
どのくらい便利かというと、全くガジェットに興味のない妻に1つ貸してあげたらもの凄く気に入って取られてしまったくらいだ。
そしてMagSafe対応モバイルバッテリーを買おうと思っているけれど、どれにしようか迷っている方。
色々と同じような製品が出ている中、色々使った私もこちらはまず間違いがない製品だと思うので、もしMagSafe対応のモバイルバッテリーで購入を迷っている方がいたら、こちらの製品は是非オススメする。
Anker 622 Magnetic Battery (MagGo)のレビューまとめ
オススメポイント
- ワイヤレス充電7.5W対応
- 薄型になり装着感アップ
- ワイヤレス充電の変換効率がいい
- 発熱が穏やか
残念ポイント
- 少し価格が高い
- スタンドの支持力が弱い
- スタンドを使ったままバッテリーの充電ができない
前機種「PowerCore Magnetic 5000」で感じていた不満が解消され、完成度の高い製品になっている。
MagSafe対応のモバイルバッテリーを買うつもりなら、現状これが最適解なのではないかと思う。
iPhone 12シリーズ以降をお使いの方は、この機会に是非1つ持っておくと良いのではないだろうか。
評価:[review_stars 4.5/5]
順当な進化で隙のない素晴らしい製品
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