ChatGPTを搭載しマニュアルを読むだけで飛行機を操縦できるロボット「PIBOT」が登場

masapoco
投稿日 2023年8月28日 18:33
images

韓国科学技術院(KAIST)のエンジニアが、AIによって状況を判断し、マニュアルを一度読むだけで飛行機を操縦できるロボットパイロット「PIBOT」を開発した。PIBOTは、通常の人間のパイロットのように飛行機のコックピットに座り、「手」を使って飛行計器を操作したり動かしたりする。

PIBOTを製作したエンジニアたちは、外部カメラを使って周囲の状況をモニターできるように設計した。ロボットハンドは、乱気流やその他の振動がロボットの手から航空機のコントロールを奪うのを防ぐために高精度の器用さも備えている。直接操縦席に座ることが出来るというPIBOTの利点は、ロボットに合わせて飛行機を改造する必要性を排除し、PIBOTがどのような飛行機にも対応出来る汎用性を備えていることを意味する。

ロボット・パイロットは、自然言語で書かれたフライトマニュアルを読むことで、航空機の操縦を学習する。そこから、身長1メートル、体重143キロのロボットは航空機を操縦し、人間のパイロットと同じように、あるいはそれ以上に効率的に操縦することができる。KAISTのエンジニアによれば、このロボットは、世界中のすべての航空図の知識を処理し、維持するのに十分なメモリを備えているとのことだ。

フライトマニュアルを読むことで得た知識に加えて、PIBOTはChatGPTで航空機のクイック・リファレンス・ハンドブックを確認したり、緊急シナリオへの対応方法を確認することもできる。エンジニアの報告によれば、PIBOTは人間のパイロットよりも速いスピードで緊急事態に対応することができるという。

ExtremeTechが指摘するように、これらのロボット・パイロットは人間のパイロットに取って代わる万能のものではないため、しばらくはこの種のロボットが広く受け入れられることはないだろう。今のところ、PIBOTはKLA-100を始動させ、問題なく離陸、巡航、サイクリング、着陸、タキシングができることを証明しているに過ぎない。その他の航空機に関しては未知数だ。

だがこの種のロボットの将来的な用途として、宇宙船のロボットパイロットとして、あるいは人間が行くことができないような惑星やその他の宇宙をより徹底的に探索することなどへの発展が考えられるだろう。


Sources



この記事が面白かったら是非シェアをお願いします!


  • chatgpt unsplash
    次の記事

    OpenAI、GPT-4に無制限アクセス可能で2倍高速な企業向け「ChatGPT Enterprise」を発表

    2023年8月29日 6:05
  • 前の記事

    プロンプト・エンジニアリングは未来の仕事か、それとも一時の流行に過ぎないのか?

    2023年8月28日 15:47
    chatgpt unsplash

スポンサーリンク


この記事を書いた人
masapoco

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

おすすめ記事

  • openai

    OpenAI、15秒の音声サンプルから感情豊かで自然な音声を合成できる「Voice Engine」を発表

  • a04c35e8e555c1cc7ae1d6a5f3159856

    MicrosoftとOpenAI、1000億ドル以上をかけて超人的AI開発のためのスーパーコンピューター「Stargate」を開発する計画

  • Sam Altman TechCrunch SF 2019 Day 2 Oct 3 cropped cropped

    ベンチャーキャピタリスト、OpenAIのSam Altman氏を“誇大妄想的”と非難

  • google logo image

    Googleが非営利団体を対象に2000万ドルの資金を提供し生成AI活用を支援

  • Pixel 8 in Rose.max 936x936.format webp

    Google、方針を転換しPixel 8にもGemini NanoによるオンデバイスAI機能を搭載へ

今読まれている記事