Ronald Mallett教授は、タイムトラベルの謎を解いたと主張している。彼によると、回転するレーザーのリングで時空の布をねじり、時間のループを作ることで、過去への旅行が可能になるというのだ。過去へのタイムトラベルという概念に子供の頃から魅了された彼は、現在77歳。半世紀にわたる研究の末、たどり着いた結論だという。
現在の物理学の知見では、タイムトラベルは不可能だ。
物理法則は、因果関係と矛盾しない方法で、過去へのタイムトラベルを可能にするものではない。しかし、一般相対性理論やワームホールの考え方のように、タイムトラベルを可能にする理論もある。しかし、これらのモデルは多くの推測に基づくもので、現在の技術では到達できない条件が必要だ。そのため、タイムトラベルは今でもSFのテーマとしてよく取り上げられるが、今わかっている科学の知識では不可能だと考えられている。
しかし、Mallett氏は、その抜け道を見つけたかもしれないと考えている。The Guardianの最近のインタビュー記事によると、彼は人工ブラックホールを作ることで、重力場を発生させ、時間のループや過去への移動が可能になる可能性があると主張している。
「回転するブラックホールは重力場を作り出し、時間のループを作り出し、過去に行くことができるようになる可能性があることがわかりました。通常のブラックホールとは異なり、回転するブラックホールには、事象の地平面(電磁波が逃げられない空間を囲む面)が内側と外側の2つあります。この2つの事象の地平線の間で、フレームドラッグ(時空の引きずり)と呼ばれる現象が発生するのです」と、Mallets氏はThe Guardianに語っている。
「今、あなたの目の前にコーヒーカップがあるとします。スプーンでコーヒーをかき混ぜ始めます。すると、コーヒーが渦を巻いてきたでしょう?それが回転するブラックホールなんです。アインシュタインの理論では、空間と時間は互いに関係し合っています。だから時空間と呼ばれるのです。だから、ブラックホールが回転していると、実際に時間のねじれを引き起こすことになるのです」と、彼は続けている。
Mallets氏は、リングレーザーと呼ばれる、強く連続した回転する光線を作り出す装置で、人工的な代替手段を見つけたかもしれないと考えている。「光は重力を作り出すことができ、重力が時間に影響を与えるなら、光自体が時間に影響を与えられる」と彼は説明する。
ただし、彼が考案する装置で実際のタイムマシンを実現するには「銀河系規模のエネルギーが必要になる」として、その非現実的である事も認識している。
だが彼は、「まず必要なのは、時間ではなく空間を光でねじ曲げることができることを示すことです」としており、そうすることで初めてその後に何が必要になるのかを指し示す道しるべになると考えている。今の段階については、「ライト兄弟が処女飛行を終えた直後に人類が月に到達するまでの予測を尋ねるような物です」である。
そしてMallet氏は、プロトタイプのマシンを作った。彼はそれがうまくいくかもしれないと信じている。しかし、まだ実現していない。もし実現しても、彼が望むほど過去に戻ることはできない。それどころか、時間を遡ることができるのは、ループができたときまでだと断言している。
しかし、彼はまだ希望を抱いている。「何年か前にすでにこの装置が稼働していて、今ではCOVID-19を治す薬ができたとしましょう。地震や津波の発生を正確に予測できるとしたら、どうでしょう。ですから、私としては、可能性の扉を開いてしまったのです。そのことを父は誇りに思ってくれていると思います。」
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