OpenAIは、先日の開発者会議「OpenAI DevDay」において、GPT-4 TurboやGPTsなど、GPT-4に関連した数々の新機能を発表したが、全く新しい次世代AIモデルである「GPT-5」の開発を行っている事を、CEOのSam Altman氏がFinancial Timesとのインタビューの中で明らかにした。
Altman氏は自社の次世代AIモデルに関する実際の詳細については、時期も含め、一切明かさなかった。GPT-5は前モデルよりも洗練されたものになる可能性が高いが、開発が初期段階であり、どのような能力を持つのかも含めてまだ想像が付かないと述べている。
「そのモデルを訓練するまでは、我々にとっては楽しい推測ゲームのようなものです。能力を予測することは安全性の観点から重要だと思うからです」と、同氏は語り、トレーニングがまだ始まっていないことを示唆している。
Altman氏は、GPT-5のトレーニングプロセスには、より大量のデータが必要になると述べており、このデータは、インターネット上の一般にアクセス可能なデータセットと、民間企業の独占的なデータセットをブレンドして使用すると説明した。
GPT-5は何ができるのか?
この1年、OpenAIはアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)などの分野に進出し、プラグインストアを立ち上げ、Microsoftと協力してOffice製品やウェブブラウザにAIレイヤーを追加してきた。しかし、いずれもOpenAIの製品ではない、とAltman氏はFTに語った。
その代わりに、同社は現在よりも複雑なアクションを実行できる、より強力な汎用人工知能「AGI」の構築に邁進していくともしている。
そしてOpenAIは、AGIのビジョンを達成するために、主要な出資者であるMicrosoftにさらなる財政支援を求める意向もあると、Altman氏は述べている。
そのために、OpenAIはモデルを訓練するためのデータをより多く求めており、同社は最近、「OpenAI Data Partnerships」を導入し、AIモデルをトレーニングするための公共および民間のデータセットを共同で作成する組織を募った。このイニシアチブは、様々なテーマ、産業、文化、言語に対するAIの理解を深め、AGIの開発を促進することを目的としている、とOpenAIは述べている。
意外かも知れないが、OpenAIの将来はMicrosoft、Google、Intel、AMDといった他のテック企業にかかっている。OpenAIが投資やトレーニングに関してMicrosoftの支援を受けていることはよく知られている。より複雑で高度なAIモデルには、Microsoftがすでに投入した100億ドルよりもはるかに多くの資金が必要になるだろう。
Altman氏は、現状はAGIの構築には程遠く、モデルの訓練にかかる費用は同社に取って大きな負担であるとしている。Altman氏は、Microsoftとの成功が今後も続き、両社に収益をもたらすことを期待している。
AIモデルを手がける他の企業と同様、OpenAIは先進的なチップをNVIDIAに依存しており、その供給が限られているため進歩が遅れている。この状況は来年には改善される可能性が高いが、Google、Intel、AMDといった企業が独自のAIチップを開発する試みは、まもなくOpenAIの助けになるとAltman氏は考えている。
GPT-5のリリース時期は全く不明だが、OpenAIはこれによってまた他社から一歩先んじることを望んでいるようだ。
Sources
- Financial Times: OpenAI chief seeks new Microsoft funds to build ‘superintelligence’
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