OpenAIに対して起こされているThe New York Times紙（NYT)による訴訟に進展があった。OpenAIはNYTが自らの主張を正当化するために、バグを悪用し、チャットボットに直接記事を送り込んで逐語的な文章を吐き出させたと主張している。OpenAIはニューヨーク南部の連邦地裁に対し、NYTによる著作権侵害訴訟のいくつかの請求を棄却するよう求めている。

原告側（この場合はNYT）による訴訟では、これらのChatGPT-4モデルはチャットボットを訓練するためにNYTの記事を使用していると主張した。法廷提出書類の中で、NYTは100の事例を明らかにした。

Open AIは、NYTが誰かに金銭的な報酬を支払い、OpenAI製品にハッキングさせ、バグを悪用し、希望する応答を生成させたと主張した。申請書はこう付け加えた：

「訴状の別紙Jを構成する非常に異常な結果を生成するために、彼らは何万回も試行した。彼らは、OpenAIの利用規約にあからさまに違反する欺瞞的なプロンプトを使用することによって、バグ（OpenAIはこれに対処することを約束している）を標的とし、悪用することによってのみ、これを行うことができたのだ。そして、その時でさえ、彼らは、逐語的な文章を引き出そうとしたまさにその記事の一部をツールに与えなければならなかった。事実上、その記事のすべては、すでに複数の公開Webサイトに掲載されている」。

ここで述べられている、別紙Jとは、NYTがOpenAIに反論するために提供した添付ファイルのことである。OpenAIはまた、同社はジャーナリズムを支援する努力をしており、いかなる当事者にも “事実や言語のルールを独占する権利”はないと主張した。

提出書類の中でOpenAIは、NYTが著作権侵害の懸念を提起することなく、同社のチャットボット開発について何年も熱心に報道していると説明した。OpenAIは、NYTの記事がAIモデルのトレーニングに使用されていることを2020年に公表したが、NYTがこれを気にしだしたのはChatGPTが2022年にデビューし、人気が爆発した後だったと主張している。

OpenAIは、「Timesが、OpenAIが『著作権を侵害した』と主張し、『商業的な条件』を要求するために手を差し伸べたのは、この新しいテクノロジーによって価値が引き出されたという報告とともに、この急速な採用が行われた後だった。数カ月にわたる話し合いの後、Timesはクリスマスの2日後に訴訟を起こし、”数十億ドル “を要求した」と、主張している。

これに対しSusman Godfreyのパートナーであり、NYTの主任弁護士であるIan Crosby氏は「OpenAIは秘密主義を貫き、自社製品がどのように動作するかを意図的に隠してきた。我々はそうは思わない。注目すべきは、OpenAIがTimesの著作物を時効期間内に無断でコピーし、より新しい最新モデルを開発したことに異議を唱えていないことだ」と、The Registerに対して述べている。

Crosby氏は、CNBCの取材に対して次のように述べた：「この提出書類の中で、OpenAIは、彼らがThe Timesの何百万もの著作物をコピーして、我々の許可なく商用製品を構築し、その動力源としていることに異論を唱えていない（唱えることもできない）。OpenAIが奇妙にも『ハッキング』と誤解しているのは、OpenAIの製品を使って、Timesの著作物を盗み、複製した証拠を探しているだけです。そして、それこそがわれわれが発見したことです。実際、OpenAIのコピーの規模は、訴状に記載されている100以上の例よりもはるかに大きいのです」。

Sources

• CNBC: OpenAI alleges New York Times ‘hacked’ ChatGPT for lawsuit evidence
• The Register: OpenAI claims New York Times paid someone to ‘hack’ ChatGPT